山本敏文先生
とにかく僕は変わり者だった。上の学校へは自然とその方面に進んだのです。天文学は大学にしかないし、運輸通信省管轄の気象技術官養成所へ行ったのです。今の気象大学校ですね。東京の千代田区にありました。しかし、戦時中でしたので生野区にある大阪管区気象台にすぐに実習に行かされました。
戦後になってからですが、気象台を途中で辞めて生駒山の天文台に行きました。京大の宇宙物理学科の天文台です。そこでは太陽の観測をしました。太陽の黒点や【プロミネンス(紅炎)】を、水素とかカルシウムの分布を調べるスペクトロヘリオグラフという機械で調べたりしました。
■科学衛星「ようこう」が 軟X線望遠鏡で撮影した太陽コロナ (出典:http://flare25.solar.isas.ac.jp/graph/Yohkoh_full.gif) |
■1992年7月31日に観測されたプロミネンス大爆発。 次第に加速して惑星間空間へ噴出し た。その初期の 約50分間の変化を示している。 (出典:http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/ observatories/Hida/FMT/PErapt.html) |
僕の人生は「太陽のお陰で飯を食べられた」…といっても過言ではないのです。お日さま、サマサマなんですヨ(笑)。
プロミネンス
シーロスタット
デリンジャー現象
太陽の磁場は、太陽表面上に冷たい物質をつかまえておくことができ、赤い雲がたちのぼるような現象を生じるが、冷たい物質は数日以上は安定していられない。この現象はプロミネンスまたは紅炎とよばれ、日食のときには、王冠につけられた宝石のようにみえる。たいていは静まっているが、黒点にできるものはときとして噴出し、太陽の物質を宇宙空間へとふきとばす。
2枚の鏡を設定して、太陽の運行とともに1枚の鏡を動かせて、太陽の像が常に同じ所に来るようにした装置。
黒点など太陽の活動によって、太陽からの電磁波が電離層を乱して、特に短波通信などに大きな影響を与える現象。