千里生活研究室室長の頃 |
最盛期には500人ぐらいのモニターさんを抱えて、家電メーカーなんかに対して商品提案…「女性(とりわけ主婦)は今こういう商品を望んでますよ」みたいな提案をしていく仕事をしたんですね。
女性スタッフが15人いたんですけど、正社員は少なくって、ほとんどがパートタイマー。「主婦の目」が必要で採用してますから、パートでないとなかなか家庭と両立できないんですよね。逆にそれが災いして「やれ子供が病気した」「今日は参観日です」とか言って、突然休みはるわけ。管理する側としては予定が全然狂ってしまってね。難しかったですよ。
とうとう私も体を壊してしまって。1年の間に十二指腸潰瘍と胃潰瘍を2回もやって、吐血はするわ、えらいことになった。「これは私に向いてないな」と思って、ついに所長にお暇をもらいましたけど。所長の先見もちょっと時期尚早やったみたいで、この研究室はその後すぐ無くなりましたね。
静養中に電通時代の同僚から、沖縄にできるホテルの話が持ち上がってね。宣伝以外にもホテルの中の印刷物って、ものすごく沢山あるんですよ。例えば客室1つとっても、便箋や封筒が必ず置いてあるでしょ。レストランにはメニューが要る…もう膨大な数になります。それを手伝って欲しいと言われてね。
1月のことです。「7月6日にオープンするんや」と。「もう半年しかないねん」って言われて「そんな無茶な。1年は欲しい」言うたんですけども(笑)。無理矢理それに引きずり込まれて。そしたら、そこの社長から「フリーでやらんと中へ入ってやってくれ」言われてましてね。ルネッサンスリゾートオキナワという沖縄の一流ホテルですけども。このホテルのオープンから手がけて、それが済んだら今度は鳴門。いま、ルネッサンスリゾートナルトというホテルがありますけど、それもやって。それで、60歳になって定年を迎えました。
そしたら今度は電通の下請けやったデザイン会社の社長から「うちへ来てくれへんか」と誘われて。自分でも「まだ辞めるのはちょっと早いんかな」と思って(笑)、そこへ行ってまた仕事して…。一昨年、64歳の現役コピーライターも流石に「もう、ええやろ」とね(笑)。
沖縄ロケ〜休憩中の仲代さん夫妻 |
能登演劇堂にて〜友人とともに仲代さんと |