漢方の方に興味持ったのは、医者になってからですわ、子供の時に漢方薬を自分で買って飲んでいたこともあるんです。それは一時的な中学校時代ですよ、自分の興味でね。それはあんまり直接的には関係ないです。しょっちゅう風邪引くからね、風邪引かぬような漢方薬ないか言うてね。漢方薬屋へ行って自分で買うてきたりね。
漢方というのは元々中国の神さんですよ、神農さんと言うのは。いろいろな経験が積み重なっていくんですね、強心剤のジギタリスいうのもね、元々ジギタリスいうのは西洋医学の薬やけど葉っぱの形が、心臓の形に近いと、効くんじやないかいうて、色からの連想とか、形からの連想ですね、昔は結構あったみたいです。たいていは当たらへんけどもね。それは一杯組み合わしてやっていたんと違います、漢方薬の生薬の組み合わせてやっていたんちがいます。漢方薬の生薬の組み合わせでもわかりませんよ、何でこんな組み合わせになったのか。
普通、薬って調合されて出ますよね、だけど漢方は同じ病気でも人によって調合する度合いどが違う。いわゆるさじ加減いうのは漢方の言葉ですけどもね、だけど私らは今もうできません。やろうとしてできんことないけどね、生薬その物をずっと保管するいうことは大変なんです。できるけども常にいい乾燥状態で、カビ生えたりようするからね。僕らがやっている漢方というのは、コーヒーでいうたらインスタントコーヒーのようなものです。
一時、僕も生薬を使いましたけどね勉強の時はね、だけどほんまのことはもう現実的じゃない思いましたけども、ようするに会社の釜で一遍にたくさん煎じてあるわけ。コーヒーと同じで、それで乾燥さしてね、インスタントコーヒーになっているでしょう、あういう漢方薬ですけどね。
よう時代劇でこう刻んでいるでしょう。徳川家康は自分でつくるのが好きやったいうからね、自分でいろいろ混ぜていたんですよ。ある意味毒もあるんですよね、誰かの薬で毒が入っているのをわからずに飲むとやられたとかそういう用心があるから。昔はめちゃくちゃですよ、不老不死の薬というて水銀飲んだりしていたからね。しゃない時代もありますよね。