琉球の大地に生きて【第3畝】藍こそ豊かさの証明
    六稜WEB取材班 編
    琉球藍染、徹底解剖(1) 〜染料をつくる

      【藍の栽培】
      沖縄では年に2回、5〜6月と11月の雨期に収穫を迎えます。残念ながら取材班が到着したのは夏の刈り取りが終わった後でした。すでに藍畑は草ぼうぼう…。ちなみに畑の向こうに見えるのが、われわれがお世話になった宿舎です。「やんばる共同農場」には琉球藍「やまあい工房」のほかに、キャンプ場「アッチャー」があります。
      【葉を発酵させる】
      これが藍の葉から染料を抽出する装置。コンクリート製のタンクが3本…各々に藍の葉90〜100kgを詰め込むことができます。これに水を加えて発酵を待ちます。
      【藍の葉はあくまで緑色】
      タンクの足元に藍が自生していました。決して藍色ではありません。
      【この段階での色素は水溶性】
      タンクの中で十分に発酵した水溶液には藍の色素(インディゴ)が溶け込んでいます。これを段差を利用した水槽の中へ集めます。インディゴは還元状態では緑色を呈しています。酸化状態で青色を呈し、水溶性でなくなります。
      【化学反応で色素を抽出】
      水槽に石灰を加えて撹拌します。撹拌が進むと液の色はみるみる青色に変色し(つまり酸化状態になり)、次いでゆっくりと沈澱します。
      【濃度を上げる】
      泥状の液から上澄みを捨て、さらに布で漉して水分を抜き泥の濃度を上げていきます。これを何度も繰り返して泥藍ができあがります。
      【泥藍では染色できない】
      これがその泥藍。ようやく藍色になりましたが、この泥藍にはモノを染める力はありません。手についても水で洗い流せば落ちます。この状態にして染料を保存するわけです。
      【出藍の誉れ…の確率】
      100kgの藍の葉から泥藍はたった12kg程度しか抽出できません。このポリタンクには250〜300kgの泥藍が溜まっていますから、かれこれ10数回分のストックということになります。
      【装置も自家製】
      こうした大掛かりな道具はすべて自家製。改良に改良を加えながら年々便利な道具へと進化しています。

    Update : Aug.23,1999