【連載】なにわことば三昧(22)

    ぞぉよぉ

    中井正明
    (64期・なにわことばのつどい代表世話人)


      漢字で雑用と書きまス。
      大阪弁の字引には「費用、いりよう」。
      国語辞典の入用(いりよう)は「ある用事のために必要、にゅうよう」。
      そこで入用(にゅうよう)をみると「用をたすために必要なこと」と書いタァル。

      何れにもせよ必要経費のことで“なにわいろはかるた(弊会作成の歌留多)”にも、
      “ぞぉよぉかかっても義理せなあかん”の札があり、
      家計簿予算以外の臨時出費の事とご理解願えたらケッコォ−(結構)だス。

      序でにその注釈もしときまひょか。


      そらそうだす。どちら様(サン)とも同(オンナ)じ事(コッ)たす。
      ワテとこも娘、嫁に出した時は、ご町内のお方に、ようお世話になったもんだス。
      ワイが余(アンマ)り稼がんからゆうて、そんなご無礼はアキマヘン。


      一張羅(イッチョウライ)の紋付きこれで最後や、ヒチヤへもっていってこい。
      また働くがな、とに角お付き合いだけは、お前、やっといてんか。
      なぁ頼んだで、ほんなら、行てくるわ。

      こんなとこだすかいな?



    Last Update: Apr.23,2002