記念写真・感想文付:文化勲章受章記念【第81回・1月22日】六稜トークリレー

文化勲章受章記念・特別講演【第81回】六稜トークリレーが1月22日(土)に開催されました。
六稜ト-クリレ-第81回【文化勲章受章記念講演】 Reporter:河渕清子(64期) 同期の脇田(旧姓:麻野)晴子さんが文化勲章を受章されたことを知った時は、一瞬驚いた。 早速、卒業アルバムを開き確認、クラスメ-トとの会話より勉強一筋の頑張り屋さんのイメ-ジだった彼女を思い出すことが出来た。六四会内でも「あの脇田さんのこと?」「麻野さんのこと?」とお互い確認の電話やメ-ルが飛び交ったのも、私達女生徒がその昔大手前から北野への移籍組だった中、彼女は転校生として北野高校へ。同じクラスでなければ口をきいたこともなかったのも当然である。私もその一人で、ト-クリレ-当日、彼女と対面したときには思わず「初めまして…」で始めてしまい傍の友人からも失笑を買ってしまう有様。 何はともあれ、今回の受章は六稜生では森繁さんに続く5人目の快挙で、同期として彼女の栄誉を祝しその偉業を称えたい。 なお、脇田晴子さんのご夫君は第12回ト-クリレ-講師でもご登場願った脇田修氏@62期( 現大阪歴史博物館館長)で近世史がご専門の大阪大名誉教授である。 六稜会館ホ-ルは、開演前から200人近くの六稜人、学校関係、一般の人で埋まっている。 14時、会館催事委員長の徳岡さん(92期)の司会で第81回六稜ト-クリレ-が始まった。 冒頭、満面笑みの山本同窓会会長の挨拶があったのも 本ト-クリレ-の開闢以来、初めてではなかろうか?「文化勲章受章者」の講演であればこそである。引き続き64期学年代表の足立一郎さんの軽妙洒脱な「講師紹介」の後、参加者に配布されたレジュメ「私の歩んだ道」に基付き脇田晴子さんの講演が始まった。 お話は先ず北野高校へ転校の経緯から始まり、「自由」を校風とした当時の生徒のイタズラ話や、カリヤン,カメなどの懐かしい恩師のお名前も飛び出した。 大学・大学院を通じて日本中世史を専攻、ご実家が商家だったことから特に中世商業史、中世女性史の研究に没頭、当時では女性の歴史家として脚光を浴びる存在となった。今迄、男性が中心だった歴史学で女性を見つめ直し従来の「家婦長従属論」を覆したことでも知られている脇田女史が今回の受賞の対象に選ばれたのも一理あるだろう。 ご自分の著書の紹介も、個々の説明はあまりなく、マニアックな解説はこの場で不要と思われたのだろうが、せめて一冊づつの梗概は話してほしかった。中でも「日本女性史の研究…」では研究動機→調査→執筆に至った経緯なども詳しくお聞きしたかったし、内容の簡単な説明からジェンダ-論に発展するであろう、という参加者の期待?も叶えられないうちに終演時間となってしまった。 講演中、映像が一枚も映されることが無かったのもト-クリレ-としては物足りなさを感じないでもなかった。講演の前半では同じことを繰り返し話される度に同期の私たちはハラハラしたが、これも文化勲章受章者の名に免じて甘んじて受けるしかなかった(苦笑)。 質問タイムの後、母校一年生生徒会長の勝又晴日(かつまたはるひ)さんからの花束贈呈、世代を超えた先輩・後輩の2ショット撮影などがあり、満場の喝采を浴びながら清清しい幕切れとなった。  あちこちの大学で教授を歴任後、現在は石川県立歴史博物館館長の脇田さん、研究・執筆生活で半世紀を超えた今もなお、研究には余念なくご夫妻で調査旅行を楽しんでおられるそうだ。6歳から始めたと言われる仕舞を楽しみながら…。 これからもお元気で益々のご活躍を祈っている。 【主な著書】 1960 日本中世商業発達史の研究   1981 日本中世都市論 1985 室町時代 1988 戦国大名 大系日本の歴史第7巻 1992 日本中世女性史の研究…性別役割分担と母性・家政・性愛 1995 中世に生きる女たち 1999  Women and Class in Japanese History 1999   中世京都と祇園祭 2001  女性芸能者の源流…傀儡子・曲舞・白拍子 2002  日本中世被差別民の研究 2003  天皇と中世文化 以上

Last Update : 2011年1月31日