- 六稜NEWS-050702
「最新デジタル映像のすべて」 大村皓一(68期)さん reporter:山崎 純(112期) |
大村先生は日本におけるCG研究のパイオニアで、大阪大学工学部助教授であった1970年代の後半からCG映画の世界に関わってこられた。まだパソコンが ほとんど普及していなかった当時、まずコンピューターの環境を整えることから始めなければならず、既存のコンピューターを何台もつなぎ合わせるなどして自 作されていたそうだ。 80年代には「ゴルゴ13」やドームシアターのOMNIMAX映画に携わってこられた。企業から億単位の研究資金を得て、研究室の大学院生とともにCG製 作に励むという刺激に満ちた日々だった。ただ当時は「いくら頑張っても、CGは写真に追いつけないのではないか」という思いを常に抱えておられたそうだ。 CGが高度に発達して広く普及した現在から見れば信じられない気もするが、それが先駆者であるがゆえの悩みだったのだろう。 その後、大村先生の関心は後進の育成へと移ってゆく。今回最も印象的だったのが、「『才能』は体のいいゴミ箱」という言葉である。CGを含めたアートの分 野においては、若い人間の作品の出来不出来を「才能」・「センス」といった言葉で安易に説明して、議論を放り出してしまうことが多い。しかしその分野をよ り進歩させるためには、むしろ作り方を徹底的に議論することで基本的なノウハウを確立し、若い人間の成長を助けることが大切だということである。 |
Last Update: Jul.16,2005