▲ハウス・マルテウ
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皆様こんにちは。
2月に入ってすぐに、ベートーヴェン国際コンクールのためアーノルド先生と門下6人でドイツのバイエルンの田舎、リヒテンベルクにある『ハウス.マルテウ』で集中合宿をしてきました。
朝8時30分から夜9時まで、食事、休憩、散歩以外は練習、レッスン、聴講で音楽づけの日々でした。コンクールは2月の終わりですが直前までもうレッスンがないので、今回の合宿で最終的な仕上げをするつもりでした。コンクールを受ける他の2人や目標を持った仲間も本当に整った静かな環境の中で真剣に集中し取組み準備して、お互いがお互いを刺激しあえて思った以上に充実した1週間になりました。
あとは本番に落ち着いて弾けるよう、練習するのみです。
▲レッスン風景
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▲レッスン室
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▲散歩コース
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▲練習室
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さて今回はベートーヴェンの変奏曲について書こうと思います。
ピアノの作品として、ベートーヴェンはソナタ以外の創作では変奏曲形式に特に力を注いで傑作をたくさん残しています。
全部で22曲あり、そのうちコンクールでは有名なOp.34、Op.35エロイカ変奏曲、作品番号なし32の変奏曲c-mollを含めた5曲が指定曲です。特にOp.34,35はピアノソナタOp.31とほぼ同じころに書かれていて、中期のベートーヴェンの創作としていずれも傑作です。
この頃の創作について「これらは全く新しいアイディアによって作られたもの」とベートーヴェン自身が断言しているように、例えばOp.34ではこれまでの古典的な通常の変奏曲形態の作法(形式的なもの)と見事に違っていて変奏が次々と劇的性格的変奏を目指し、その調性、拍子の配列もそれまでのベートーヴェンにはなかった極めて斬新なものです。
Op.35では表現法がさらに豊富で壮大なものになっています。ロマン・ロランは「この主題(ベートーヴェンのお気に入りで、後に英雄交響曲のフーガにも出てくるバレエ劇プロメトイスの創造の主題)の上にさまざまな光と影を落としながら、やがてベートーヴェンはその中に隠された魂、叙情、悲哀的葬送的なもの英雄的な叙事法を発見した」と言っています。
▲夜のお楽しみ、ビリヤード大会
みんな真剣!
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そういったわけで、ベートーヴェンの変奏曲の演奏では、それぞれの変奏の性格、テンポを的確に表現することが求められます。
ベートーヴェンのソナタの壮大さと形式の発展性、変奏曲の表現性を舞台で弾けるよう、研究や練習に励もうと思います。
Last Update: Mar.05,2009
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