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日時: | 2007年11月21日(水)11時30分〜14時 |
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 |
出席者: | 50名(内65会会員:江原、大隅、太田、梶本、正林、高橋、峯) |
講師: | 日本コントラクトブリッジ連盟元事務局長 檜川哲次氏(67期) |
演題: | 「雑談コントラクトブリッジ」 |
講師紹介: |
(講師より聴取)北野高校入学後陸上競技部に入るが、このため胸を患い1年休学。復学後、美術部に入り高校展で入賞、独立展に入選する。しかし病状は芳しくなく、卒業後約5年間療養生活を送る。このときブリッジを覚える。1961年から先輩の中野博之氏のデザインスタジオでデザイナー見習いとして働く。1962年、日本コントラクトブリッジ連盟関西支部設立に参画。1965年上京し、日本コントラクトブリッジ連盟事務局長に就任。1972年6月世界ブリッジオリンピアード・マイアミ大会に日本チームが初参加した際のメンバーになる。以後、事務局の責任者として活動する他、国際試合のノンプレイング・キャプテンとして日本チームに同行。1982年、社団法人設立。1991年、世界ブリッジ選手権試合横浜大会開催を手がけた。1993年事務局長を退任し、以後、普及・広報担当としてブリッジの普及に携わる。2003年、連盟を引退。現在は千歳烏山付近のブリッジ愛好家たちの活動に協力するほか、郵船クルーズ社の依頼でワールドクルーズ、オセアニアクルーズなどに乗船し、ブリッジプレイヤーの養成に努める。私のブリッジに対する理念は「上手い人たちを育てるより、一緒にプレイして楽しいプレイヤーを育てること。」
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講演内容: (要点のみ) |
1. 本日のご出席者がブリッジをやったことがあれば、それにまつわる面白い話もいろいろあるが、そのような方も少ないと思うので、ブリッジに関連した雑談ということでお話させて頂こうと思う。 2. 【コントラクトブリッジはトランプ遊びの一つ】 日本では「トランプ遊び」は子供の遊びか賭博のイメージしかないが、大人も楽しめる「カナスタ」、「ジンラミー」、「コントラクトブリッジ」などがある。無数にあるカードゲームを大きく二つに分けると数合わせのラミー系ゲームとカードの強さを争うブリッジ系ゲームがある。 3. 【トランプとはブリッジ系ゲームの用語の一つで切り札という意味】 徳川時代まで正しくカルタと呼ばれていたが、トランプと呼ばれるようになったのは開国当時の外国人がカードゲーム最中(多分ホイスト)にトランプと言っているのを聞いて勘違いしたのではないか?若い頃はカードという言葉に拘ったが、齢をとってからはどうでもよくなった。 4. 【カードについて】 カードの誕生は、場所も年代もハッキリしない。根拠は不明だがある書物では西暦969年より古い時期の中国とあるが、インドやエジプト起源説もあり全ては謎、悪魔の札と焼き捨てられたことも資料の少ない原因と思われる。カードは1299年のイタリアの文献にある。一般には14世紀半ばにヨーロッパに広まったらしい。現在の日本のカードはヘンリー7世時代(19世紀)の服装になっている。カードはゲーム、奇術、占い、賭博、教育にも使用されたがカード普及の最大の功労者は何といっても賭博。 有名なティファニー作成のカードを私の結婚祝いに頂いた。私もブリッジ関係者の結婚祝いに贈っていたが離婚率が50%を超えたので辞めた。ブリッジ界には、離婚しないと一流プレイヤーになれないとか、結婚すると一流プレイヤーになる条件が整ったという冗談がある。カードのサイズにはブリッジサイズとポーカーサイズの2種類ある。ブリッジは13枚持ち、ポーカーは5枚持つので幅が違うというが真偽は不明。 5. 【ブリッジの歴史】 スペインのオンブルで老人たちがやっていたのがブリッジの元祖とされている。その後16〜7世紀ごろホイストが登場しゲームの王座を占めた。ホイストは1621年のジョン・テーラーの詩の中に見られる。派生的にツーテンジャックなどいろいろなゲームもできた。サンドイッチはホイストに夢中なサンドイッチ伯爵がロースト・ビーフをパンにはさんで食べたのが始まり。エドモンド・ホイルが1742年に「ホイスト小論」を出版しベストセラーになった。According to Hoyle は規則通りの、公正なという意味の熟語になった。 1925年11月27日、ハロルド・バンダービルトがカリブ海洋上で自家用ヨットのクルーズ中にコントラクトブリッジのルールを作った。彼の財政的援助による努力で世界中のホイストクラブが数年でブリッジクラブに看板を掛け替えた。ブリッジは宣伝の天才といわれたカルバートソンがレンツとブリッジの試合を約2週間戦った。この試合は「世紀の戦い」と言われ新聞、ラジオで報道された結果、普及が進み「世界で二番目に人気のある室内遊戯」になった。 6. 【ゲームのルール】 1)向かい合った2人がパートナーになる2対2のゲーム 2)一人13枚ずつのカードを持ち一回一枚ずつプレイし13回戦の勝敗を決める。 3)ブリッジの手順 オークションでまずトランプと取る数を約束する。オークションで使える言葉は1♣(13回戦中7回=6+1♣という意味)〜7NTまでの35、パス、ダブル、リダブルの合計38の言葉だけで情報を交換する。時計回りの順番にコールしオークションが終りコントラクトが決まるとプレイが始まる。プレイはオークションで決まったコントラクトの成否を争う。 コントラクトと同時に親(ディクレアラー)が決まり、ディクレアラーの左手のプレイヤーが最初のカードをリードし、これをオープニングリードという。オープニングリード後、次にプレイする順番のプレイヤー(ディクレアラーのパートナー)はカードを全部テーブルの上に広げダミーになる。 ダミーは以後ゲームに参加せず(口出し厳禁)、ディクレアラーが自分のハンドとダミーのハンドの両方をプレイする。13回戦が終ったらプレイの結果をコントラクトと照らし合わせて得点を計算する。 プレイのルールは4人に配られた13枚ずつのカードを、リードしたカードと同じスートのカードを時計回りの順番にプレイ、リードしたカード(台札)の中で一番高いカードをプレイした人が取る。台札と同じスートがなければ他のカードをプレイするが、このカードは勝敗に関係しない。自分とパートナーのどちらが取ってもそのペアが取る。取ったプレイヤーが次のカードをリードする。トランプ(切り札)はリードしたカードをプレイ出来ない時に限りプレイ出来一番強い。 以上を要約すると次の通り。 (1)トランプ(コントラクト)を決める (2)オープニングをリードする (3)ダミーを広げる (4)プレイ進行・終了 (5)得点を付ける ポイントは、約束したものを作ること、相手に作らせないこと。 ブリッジを愛好した人は多く、日本では、昭和天皇を始めとした皇族、山本五十六元帥など、外国ではサマーセット・モーム、アイゼンハウアー、アガサ・クリスティなど。 ブリッジプレイヤーに必要な資質は、強調的かつ競合的な戦略眼、記憶力、論理の構成力、計算力、推理力、ひらめきと確率の知識、それに冒険心と危機管理能力があれば申し分ない。 |