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日時: | 2007年4月18日(水)11時30分〜14時 | |||||||||||||||||||||||||
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 | |||||||||||||||||||||||||
出席者: | 50名(内65会会員:江原、大隅、梶本、正林、山根、峯) | |||||||||||||||||||||||||
講師: | 財団法人医療情報システム開発センター理事長 向井 保氏(73期) | |||||||||||||||||||||||||
演題: | 「医療情報の電子化〜現状と将来」 | |||||||||||||||||||||||||
講師紹介: | 昭和41年東京大学工学部計数工学科卒業後通商産業省入省。平成4年同省工業技術院標準部長。同6年新エネルギー・産業技術総合開発機構理事。同9年東芝機械取締役技術管理部長。同15年同社常務取締役。同16年財団法人医療情報システム開発センター理事長に就任、現在に至る。 | |||||||||||||||||||||||||
講演内容: |
まず、最初にMEDIS-DCの紹介をさせていただきますと、1974年に当時の厚生省と通産省によって設立されました財団法人で、現在は、主として、1) 医療情報に係わる用語やコードの標準化、2) 医療情報の安全な交換や保存に係わる技術の開発、の二つの事業に取組んでおります。![]() ![]() 1) 医事会計、オーダリング、各診療部門のシステム、あるいは、それらを統合した病院内でのシステム 2) 病院間や病院と診療所とを連携した地域医療圏内でのシステム 3) 日本全国や生涯に亘って展開したシステム の三つの段階があります。 第一段階の現状ですが、病床数400床以上の大きな病院では、殆どの病院にオーダリングシステムや電子カルテシステムが導入されています。 一方、中小規模の病院や診療所では、一部で、簡便な電子カルテシステムを導入し、患者さんへの説明や業務の改善、フィルムレス化などに力を発揮してはいますが、導入の比率はまだまだ低く、中小規模の病院や診療所へのITの導入が大きな課題となっています。
▼情報化の状況(まとめ)
システムの形態では、医事会計、レセプト処理やオーダリングは、業務の効率化など導入による効果が把握しやすいのに対して、電子カルテは導入による効果が見え難いと云われています。 電子カルテの導入によるメリットとしては、診療情報を医師、看護師などが共有し、必要なチーム医療が推進されること、患者に対して診療や処置内容を判りやすく説明することに役立つ、などがあり、特に大きな病院ではこのメリットが強く出るようです。 一方、中小の病院では、オーダリングシステムの導入を検討している病院が増しつつありますが、電子カルテのシステムはシステムが高額であること、導入に伴う効果が明確でないこと、また、診療報酬や税制の措置がないこと、などにより導入に躊躇する病院が多いようです。 ![]() ![]() ITを利用して患者紹介を行ったり、診療情報を複数の病院の間で共有したり、交換したりすることも、徐々にではありますが始まっております。 ![]() 第三段階は全国ベースや生涯に亘る健康・医療情報をITにより管理、活用する段階です。 ところで、国の情報化推進計画として、昨年1月にIT新改革戦略が発表されましたが、戦略の中では、ITは医療の構造改革を実現する手段として期待されております。 そして、 1) レセプトの完全オンライン化による事務経費の削減と予防医療への活用 2) 個人が生涯を通じて健康情報を活用できる基盤づくり 3) 医療情報化インフラの整備、の3つを加速的に進めるべきとしています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 【報告者注】今回は、講師から上記の如く詳細な講演録を作成して頂いたので、そのご好意に甘え、原文のまま報告させて頂いた。 |