日時: | 2004年1月21日(水)11時30分〜14時 |
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 |
出席者: | 57名(内65会会員:大隅、江原、梶本、正林、山根、峯) |
講師: | 全国社会保険労務士連合会名誉会長 中西 実氏(41期) ビューティフルエイジング協会副会長 広江 勲氏(53期) |
演題: | 「年頭にあたり日本の政治、教育など」 (注)演題は講演内容から筆者の独断で記入 |
講師紹介: | 中西 実氏:41期卒。東大を経て労働省入省。労働事務次官を最後に退官。 広江 勲氏:53期卒。神戸大学卒業後、江商、尼崎製鋼所、丸紅に勤務。丸紅副社長を経て現職。 |
講演内容: (要点のみ) |
【中西氏】 (1)幹事から話をするように頼まれたが、30分で何が話せるかと聞いたら漫談で良いと言われたのでそのつもりでお聞き頂きたい。自分は現在93歳、健康ではあるがこの頃家の中でよく転ぶようになった。 (2)年はとっても関心は政治。ストレス解消は公憤。私憤はいけないが公憤は大いに結構。政治には憤慨の種が山程ある。日本の政治は、成功したためしがないほど駄目である。 (3)先ず憲法。最近ようやく改憲の話が出てきた。大阪出身の中山太郎が自民党のまとめ役をやっているが、議員は自分に都合の悪い改正はしないから議員に任せては駄目。第三者機関に委ねるべきである。 (4)憲法を変えるにしても手続きが極めて厄介。GHQがなるべく変えさせないように複雑にした。現状を見るに何時改正出来るやらと思う。 (5)外国の例を見てもドイツなどは戦後46回も憲法改正を行なっている。一字一句変えていないのは日本だけである。憲法で一番の問題は第9条。自衛隊が軍隊ということは小学生でも判る。 (6)かつて外務大臣をやった小村寿太郎は「日本の政党は私利私欲のために集まった徒党だ」と言った。あれから100年近く経っても全然変わっていない。 (7)政治改革といっても、やったことは小選挙区制だけ。二大政党制といっても英国のような歴史のある国とは違う。米国の大統領制のように日本の総理も国民全てに推されてなるべきである。現在のような政党は必要なのかと疑問に思う。 (8)日本の総理は、小選挙区制で選ばれた選挙区のことばかり考えているような議員に選ばれて良いのか。行政と立法は別物であるが、原則として国会議員から大臣を選ぶことになっており、ひたすら選挙のことを考える議員の中から大臣を選ぶようではろくな行政は考えられない。 (9)今は国会に対するチェック機能が無い。税金の無駄使いの筆頭は政治家であるがなかなかチェック出来ない。 (10)老人は判断力はあるが、体力の問題で実行力が伴わない。老人は健康であることが一番の社会貢献である。医療費を使わないことで社会貢献すべきである。 |
【広江氏】 (1)中西先輩の言われたことに全く同感である。最近は仲間で集まると一度悪政でも良いから民主党にやらせてみようと言っている。 (2)ビューティフルエイジング協会は85社以上の一部上場企業に入会してもらっている。業界1〜2位の企業は皆入会している。300名以上の人生設計アドバイザーが活動している。 (3)21世紀に入り4年目になったが良いことが無い。経済を知らない人が政治をやっている。国際的にも国内的にも波乱は免れないのではないか。今の日本はタテ社会で、これを変えない限り日本は良くならない。では、どのようにしてタテ社会を破壊するのか。 (4)自分は丸紅で22年間エネルギービジネスをやり103回出張等で日本を出た。常に「日本とは」ということを考えて来た。タテ社会を壊すには日本も大統領制が良い。理由は、第一に見本が米国にあること。第二に上が変わると局長以上は全員変わること。これがタテ社会を壊すのに最も良い方法である。 (5)日本は、大学を出て出来が良い人は大企業や金融界へ行く。英米等は逆であり優秀な人間は先ず小さい会社でいろいろな職務を経験し将来のステップアップに備える。従って将来経営者になったときは仕事の面でも幅のある人間になっている。 (6)リベラル・アーツについて リベラル・アーツは「教養自由学」と訳されている。パリに集まった知識人が自由な学術をやりたいということでスタートした。 (7)これは基礎的な知識・教養を徹底的に学ぶものでラテン語、修辞学、論理学、算術、幾何、音楽、天文学等を4年間みっちり勉強する。2、000以上の大学がそれだけしかやっていない。このような大学を出た人は非常に常識がある。日本で文部科学省がこの制度を取り入れるか否かを自分は注視している。 (8)日本の政治家はこのような基礎学問をやっていないので外国の政治家と政治以外の話をする時には困るのではないか。現在日本の政治家の約85%は政治家の家系。これが続いている限り日本の政治は良くならない。日本の政治を良くするには、先ず、各人が小さくても良いから皆で声を出すことである。英国のように100年位辛い経験をしないと良い国にはならないのではないか。 |