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日時: | 2003年8月20日(水)11時30分〜14時 |
場所: | 銀座ライオン7丁目店6階 |
出席者: | 66名(内65会メンバー:大隅、梶本、正林、三上、山根、峯) |
講師: | ファルコム・ジャパン代表取締役 松本 徹三氏(70期) |
演題: | 「日本のケータイ文化が世界を変える」 |
講師紹介: | 70期に卒業後、京都大学を経て伊藤忠に34年間勤務。この間マルチメディア事業部長等を歴任。同社退職後コンサルタント会社を設立したが、5年前にファルコム・ジャパンを5人で設立して現在に至る。 |
講演内容: (要点のみ) |
(1)物を売るには、サービス・機器・価格が三位一体でなければならないが
「ケータイ」に関してはこの問題は克服された。
「携帯電話」は今は「ケータイ」で通用する。
(2)「ケータイ」があれば、漫画、小説何でもOKで「雑誌ピア」も不要、時刻表も不要となった。 新幹線、航空機の予約から切符の購入まで何でも出来る。また、痴呆症の徘徊も「ケータイ」で居場所が判る。 (3)「ケータイ」は使いこなしが重要であり、この点は若い人が優れている。 ビジネス面では未だ遅れている。10歳位迄は文化は万国共通であるが 10歳を越えると差が出る。日本は均一社会の弱点が出て、欧米に差をつけられてしまう。 (4)「ケータイ」に関しては、フィンランド:ノキア、米国:モトローラ 韓国:三星等が競争相手であるが、日本のシェアーは僅か10%、 しかし、カメラと合体したのがヒットして発売4ヶ月目から売れ出した。 今や、70%はカメラ付きで、この流れは世界に拡大しつつある。 カメラを毎日持っている人はいないが「ケータイ」は毎日所持。 (5)3〜4万円のデジカメのうちカメラ部分は僅か2〜3千円。 「ケータイ」に入れた場合、3〜4千円がカメラ部分であるが、 「ケータイ」の作成費用総額は35,000〜45、000円。これを 7,000円〜10,000円で売り電話代で穴埋めしている。 即ち、1ヶ月の平均的な電話代は7千円であるから初めの4〜5ヶ月で カバーされてしまう。 (6)新製品が出るとそれを悪用する悪い奴が必ず出て来る。カメラ付きの 「ケータイ」を買い、通信をキャンセルすればカメラだけを使えるようになり、デジカメを7,000〜10,000円で買ったことになる。 なお、最近の「ケータイ」は3年位前のパソコンの能力を持っている。 (7)最近、会社の経営者で CEO (Chief Executive Officer), COO (Chief Operating Officer) という肩書きを米国に倣って使用している例が あるが、自分の会社は CSO (Chief Stupid Officer) という制度を作り自ら就任した。これは、どんなに機械に弱い人でも使える商品を作ることを目的としており、技術屋の一人よがりの商品を作らないため。 この CSO の承認を得ない企画は採用しないこととした。 いずれ、本当のユーザーを代表するような人がリードする商品が2〜3年以内に必ず出て来ると思う。 (8)テレビ電話は成功しない。理由は、その必要性が無いから。電信はデジタルであるが、電話はアナログの世界。費用は5倍もかかりこれまで全部失敗している。これは一種の業界の病気と言っても良い。 テレビ電話よりもヴィデオで撮って送ったほうがベターである。 |