六稜NEWS-990325

    隣同志の優勝戦・50周年
    〜半世紀ぶりに甲子園に集う北野vs芦屋〜

    reporter:谷 卓司(98期)


      六稜WEBの取材でもなければこんなに早起きしてこなかったと思う。久々に高校生に舞い戻った気分で、第71回選抜高校野球大会の第1日…開会式に臨んだ。昨夜来の雨模様で開催も懸念される甲子園球場だったけど、朝には小雨もあがり、グランドコンディションを整えて…定刻より1時間遅れの10時に式典が始まった。

      選手も高校生なら司会も高校生…と、表向きはアマチュア仕立てでよくできた開会式だったと思う。ご存知のように春のセンバツは毎日新聞+毎日放送(MBS)、夏の大会は朝日新聞+朝日放送(ABC)と、春夏で主催者が入れ代わるわけだけど、震災直後はさすがに客の入りも悪く伸び悩んだと関係筋に聞いたコトがあるが、どうだろう…開会式にこれだけの観客が集まれば、かつての活況を取り戻したのではないだろうか。

      そして、何とも驚きなのは…今年で71回目にあたるこの大会に、実は、わが北野高校が優勝していたという事実。第21回大会。そう…ちょうど今から50年前の出来事だ。戦後のドサクサに紛れて…(ま〜生徒には大阪の商家のボンボンが多かった?ワケだろうし)…物のない時代に「バットとグローブが揃っていたからじゃないか」なんて勘ぐりはボクだけじゃない筈。

      しかし、理由はどうあれ…歴史に名を刻むことは並大抵ではない。出場16校(第21回当時)の15、16位に下馬評された北野と芦屋が優勝を争いあったという史実は…今から聞いても胸躍る、愉しいエピソードだ(詳しくは『われら六稜人』【第9回】をご覧ください)。そして今日は「あの日」の50周年を祝して、両校のナインが再びこの甲子園のスタンドに結集するという…。

      本日の結果は芦屋9人vs北野6人。参加者の数のうえでは芦屋に軍配が上がったものの…両校ナインは開会式が終わるや否や、第1試合の高校球児には目もくれず、会場を球場近くの甲子園都ホテル千歳の間に移し、半世紀ぶりの熱いバトルに火花を散らしあっていた。それはもう…各界の名士それぞれが、自ら再びやんちゃな高校球児に舞い戻った図式で、抱腹絶倒の罵倒も飛び交い…他人目にも非常に面白ヲカしな愉快な瞬間だった。

      なお、この模様は今月27日、毎日放送(近畿地区4ch、MBS)の人気スポーツ番組『SPORTS DOME』(毎週土曜/17:00〜17:30)で放送される予定です。イチバン面白い肝心の部分は、短く編集されてしまって見られないかも知れませんが、その節はご容赦を(…だってマスコミだもんね)。みなさん、お見逃しなく。


    Last Update : Mar.25,1999