1998年5月14日〜19日
10:00〜19:00(最終日は15:00まで)
市立ギャラリー「いけだ」
阪急電車池田駅構内ビル2F
入場無料
reporter:石田雅明(73期)、山元一夫(64期)夫妻、小野祐路(76期)、橋本泰明(77期)
わが六稜WEB運営委員会の最長老、近藤喜治氏(55期)も、そんなビスクドール作家のおひとり。今日は池田市のギャラリーで開催されている個展を訪問、ご本人にインタビューを試みた。
私はブリューの作品に一番感動しましたが、20世紀の中頃からセルロイドの人形が全盛になり、ビスクドールの影が薄れました。それでもドイツでは継続して多くの作品が創られており、日本でも最近になってビスクドールが復活。カルチャーセンターなどで多くの人が作るようになりました。
まず最初に粘土で顔を作る。これをモールドという…いわゆる「雌型」にして、ここから磁器に焼き上げるわけです。一番大切な「目」は焼き上げた後、内側からパテで止めます。頭頂部に穴が開けてあって、そこから埋め込むのです。ボディは樹脂で作ります。人間と同じように関節があって、色んなポーズが取ることができます。ざっと、ここまで1ヶ月かかります。衣裳をはじめ、家内の内助の功があってようやく完成するのです。
私は、ビスクドールを作りながら「これは神の啓示である」と信じるようになりました。自分の魂が無心になればなるほど、純粋な子供の表情が生まれてくるのです。その後、毎年、全国各地で個展を開いてきました。世界を飛び歩いて勉強もしてきました。なかでもエポックと言えるのは、スイスのルツェルンにある「ティファニー・アンティークドール・ギャラリー」での個展でした。いわゆる専門家のバイヤーが、こぞって私の作品を誉めてくれたのです。初めのうちは「コンドウ、コンドウ」と呼び捨てだったのが、いつしか「ムッシュ・コンドー」になって…(笑)。
海外では芸術家を実に大切にします。画家のブラックは国葬だったんですからねぇ…。その点、日本は大違い。初めのうち私は作品を売ることを生業にしていました。しかし、今ではこれで金儲けをしようとは全然思いません。神が「作りなさい」と言ってくるのですよ。いろんな神がいて…実にいろんな事を言ってきます。
この展覧会は売るためにやっているのではありません。私のビスクドールは神の啓示で作ったものであり、一体一体が神の心を具現化しているのです。そこからはオーラが出ています。そのオーラを一人でも多くの人に受けて貰いたい…こればかりは現物に接して貰わないことには感じることができないのです。残念ながらWEBでは届かないでしょうね(笑)。
例年…展覧会には毎日500人くらいの人が訪れてくれています。ぜひ六稜の皆さんも足を運んでみてください。狭い会場ですが、80体のドールが皆さんのご来場をお待ちしています。本当はもっと広いところで…一体一体の間隔が最低1mは取れるスペースで展示したいのですが、そうすると入場料を取らないとやっていけなくなります。ここなら無料で開催できます。
今後の夢ですか?
75歳になったら300号とか…壁画サイズのでかい絵を描きたいと思っています。それも、エアレスというエアスプレーのもっと強力なやつを使ってね。