1998年5月10日
14:00〜16:30
ローズ文化ホール
(豊中市庄内)
reporter:谷 卓司(98期)
週3日の練習、部員の不足、楽器の不足…で、他校に楽器を借用に行くなど、幾多の困難な状況にもめげず、出場する全日本コンクールでは決まって優秀賞を総なめにしてきた彗星のごとき吹奏楽部だけに「遂に…」の感慨が深い。
続いて、学生指揮の硯川潤クンが曲づくりの苦心を述べた後、『ニューシネマ・パラダイス』を好演。「技術的な難易度はともかく、中間部の『愛のテーマ』をいかに表現するかが苦労の種であった。部員には全員にノーカット版のビデオを観て貰い…カット版ではダメなんです(笑)…曲想づくりに当たって貰った」という。なかなか、どうして…迫真の演奏であった。
次には、顧問の岡本浩先生にバトンを渡し、ラテンのスタンダード『コパカパーナ』を演奏。5人の部員が楽器を置いて軽快なダンスを見せてくれる…など、目にも愉しい構成を披露してくれた。ちなみに、この岡本先生…社会科の先生ながら、学生時代はサックスで鳴らした強者というから心強い。ゴキゲンのノリで『フィール・ソー・グッド』へ突入。いささか緊張気味のクラリネット・ソロの女の子が印象的であった。
次にはドイツの巨匠ワーグナーのオペラ『ローエングリン』より『エルザ大聖堂への行列』に挑戦。荘厳な曲を吹奏楽用にうまくアレンジした名演に、沸いた客席もしんみりと聴き惚れていた。
祝電の披露の後、最終の曲目、オッフェンバックの『パリの喜び』かと思いきや…突然、1〜2年生だけによる、3年生への感謝の曲『生涯の友』がインサートされ…何も聞かされていなかった3年生たちがステージ脇で見守るなか、ぎこちなさを見え隠れさせながらも泣かせる演奏を披露、心温まる瞬間となった。
今年2月から演奏会を企画、練習以外にも初めての公演で何かと戸惑うことも多かったと思うが、50人の部員と若きOB・OG、顧問の先生らが一丸となって非常に愉しい2時間を与えてくれた。アンコールでは各パートに絶賛の喝采が送られ…来年の「第2回」がすでに待ち遠しい吹奏楽部・第1回定期演奏会…16:00定刻にその幕は閉じられた。