六稜NEWS-980114

    15年目迎えた寺田古文の会
    新春の初講義は「堀川波の鼓」

    reporter:菅 正徳(69期)


      日 時:1998年1月14日(水) 18:30〜21:00

      場 所:大都産業会議室
         (北浜小林ビル9F)

      講 師:寺田正一郎先生
         (北野在職:S28〜43の15年。46期)

      出席者:菱谷勝次郎(67期)
          小寺範生、樋口庄司、松本忠、岸川博一、北川勝基、
          稲森久彦、中田洋、馬渕功、菅正徳、小林周子、
          吉田妙子、上原道子、早川章子、河崎衣子、
          安西ケイ子、大沢基子、泉和子、山崎とみえ、
          高田佐智子、青山千春、小森潮美、長束豊子
          (以上23名。菱谷氏以外は全員69期。敬称略)

      ※69会の公式WEBにも報告があります。
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       6時半より夕食・歓談の後、白熱の講義は7時より始まった。新春第1回とあって先生の口調にも熱がこもる。近松の「堀川波の鼓」もいよいよ最後の女敵討ちの大団円。寺田節は冴え渡って途中10分の休憩を入れ、8時30分、全員うっとりとした興奮のなか終了した(講義内容はテープに収録済み)。
       その後、菅氏の司会で寺田会の15年を振り返る座談会に移った。それぞれが先生のこの会への思いを語ったが内容を纏めると、

      • 本会の発足は69会の卒業25周年(昭和59年)の後、先生が金蘭千里高校にご在職のころ。最初は「源氏物語の玉鬘の段」、その後「和泉式部日記」、鴎外の青春三部作「舞姫、ふみ遣い、うたかたの記」、芭蕉の「奧の細道」、「宇治拾遺物語」、一葉「にごりえ、たけくらべ」、近松の「冥途の飛脚、堀川波の鼓」まで。すでに11作品を読んでいる。

      • 先生は現在83才だがこの講義をもたれてぐっとお元気になられたようだ。お声に張りがあるし解釈も若若しい。生徒の方が刺激を受ける。

      • 北野時代と違って当てられる事がない。予習も復習もいらない。何にもまして試験が無いのが嬉しい。

      • 北野の授業では判らなかった人間の機微がわかる。男女の複雑な模様が今ならよくわかる。

      • 他学校の人に話すとなんと幸せな会をもっているのかと羨ましがられる。

      • 我々は予習もなしで楽しくやらせてもらっているが先生の予習に掛ける時間とご努力は相当なもので感謝に堪えない。

      • NHKの教養番組で古文もあるが、よっぽど寺田古文の方が面白い。

      等の意見が出た。

       先生からは北野の国漢科は昔からいい先生がおられた。格調高い講義をされたもの。それの影響で国語の先生になったという訳ではないが今なおこうして皆さんと楽しい授業が出来て幸せこれに過ぎるものはない。特に私は子供を二人若くして亡くした。その一番つらいときに励ましのためにこういう会を始めてくれたこと感謝に堪えない。とのお言葉あり。

       先に傘寿の会をやったが是非次回は米寿の会を、そして何時までもこの寺田古文の会が続くよう祈って散会となった。

       尚、本会は大体2ヶ月に1回程度開かれている。会員は上記出席者の他に69会であと15名程度。72期の有光(旧姓秦)百合子さんもメンバー。興味ある方は幹事の菅正徳(69期)tel:06-203-7521/BZE07136@niftyserve.or.jpまで。


    Last Update : Jan.16,1998