六稜NEWS-090509
六稜トークリレー【第64回】
「21世紀の大阪の街づくり」多田宏行さん@78期
reporter:畑村悦雄さん@78期
多田君とは、北野2年、3年と同級であったが、私の記憶では卒業後会ったことがなく、43年振りに再会できると参加させてもらった。多田君と同じくバスケ部で同期の蓮沼君の司会で開始。多田君はミドルシュートの名手で、バスケ部のエースであったことなどをとり混ぜて多田君の紹介の後、講演開始。
家がすぐ手に入るとのことで三井不動産へ就職面接に行き、その時に牛乳を出してもらったことが気に入って同社に入社。総務部当時に総合研究所を立ち上げ、その後その責任上、同研究所の所長を長年勤め、その間、世界の都市を見て回った。その蓄積をふまえ、実務的経験に基づき都市開発を論じられる人をとの求めに応じて、本年4月から東京都市大学(旧、武蔵工大)都市生活学部の教授に就任との経歴を自己紹介。
以下の講演内容は、まさか私が講演内容のリポートをすることになろうとは夢にも思わなかったためメモもとらず、緊張感も欠いた状態で耳に入ってきて記憶に残っている点だけを書き出したものであるため、多田君の言いたい点が伝わっておらず、あるいは不正確な点があるかもしれないか御容赦願いたい。
「世界には、大阪以上の大規模超高層の新興都市は多くあるが、変ってもよい常識部分を変えたいなら、ドバイに行くべし。ドバイを見聞することにより必ずその部分の常識が変って、変ってはならない常識部分とミックスして見識が広がるであろう。
東京をまねしない大阪の独自性を生かす方向をめざすべし。郊外へ逃避した人間が戻って町中に人が住み、夜中まで皆が食・文化・芸術を楽しめる町。北(梅田)と南(難波)に核を作り、その間に居住できる複合マンション(教育、医療、店舗、事務所)を配置。町中に緑を豊かにする。視覚的に涼しさを感じる所に人、店舗が集まる。
大阪の持っているキラーコンテンツ(人の心を引きつける中味のあるものの意味か)として、難波宮跡の建物復元をぜひ行うべき。道頓堀に、木を植え、川に船プールを浮かべれば、ハワイに負けない魅力のある場所になる。
現在計画中のリニア新幹線(東京と名古屋間)を、大阪さらに福岡に延ばす。さらに福岡から海底トンネルを通って朝鮮半島を経て北京へつなげれば、福岡から北京へ2時間半で行ける。それができれば欧米を気にしない自立した東アジア圏の確立が可能となる(今から30年後)。
現在のヨーロッパと同様の東アジア圏の実現に力をそそぐべきで、そのためのキラーコンテンツとしてリニア新幹線がある。それが実現されるまで、皆さんどうぞお元気で。」
講演の後半のあまりに壮大な話に聴衆一同あっけにとられながら、多田君の熱弁ぶりに、なるほどそういうことも十分実現可能性はあると一同納得して、一時日常の雑事を忘れて一服の爽快感を味わえた講演の終了となった。
30年後、78期が90才になった時に、リニア新幹線で北京へ78期の修学旅行が出来ることを楽しみにしながら、みなさん元気でいましょう。
Last Update: May.17,2009