六稜NEWS-081028
フェニックス・デリバリーコンサート3
高木和弘と仲間たち in 北野高校
reporter:河渕清子(64期)
10月28日の午後のひと時、今をときめく人気ヴァイオリニスト、高木和弘くん(103期)のコンサートを、私は母校の多目的ホールで聴く幸運に恵まれた。
六稜同窓会135周年記念総会プログラムに挟みこまれていた「高木和弘と仲間たちin北野」の何気ない案内チラシに目を留めた人は少なかったかもしれない。フェニックスホールとの共催のこの演奏会は、2年前?にもあったが行きそびれ、今年こそはと開演30分前から並んで、中央4列目の特等席?を友達と確保した。場内は立錐の余地ないほどの入りで、在校生・保護者が大半を占めていたようだ。
オーケストラがスタンバイしたところへ、盛大な拍手に迎えられてヴァイオリンを手にした高木和弘くんが登場。可愛い感じを脱して、幾分ほっそりとなったお顔は以前より落ち着いて大人っぽくみえた。
高木和弘のヴァイオリンの音色、相変わらず美しく輝かしい響きがある。ただ多目的ホールの音響が、ほかのホールで聴くよりいまいちだったのが残念だが、こんな素晴らしい演奏家が後輩に居るというだけでも嬉しくなるし、また彼のコンサートに足を運びたくなる。
最初に、オーケストラ部1・2年生による演奏。「フィガロの結婚序曲」と「もののけ姫」では、高木くんはコンサートマスターを勤める傍ら、間にはマイクも握るというサービスぶり。高木くんが入ったヴァイオリンパートの音が鮮やかに聴こえたのは気のせいではないと思う。
「もののけ姫」を振った2年生の向井飛翔くん、堂に入った指揮ぶりには感心したし、感情導入も巧みだなぁと思う。高木くんのトークによると、彼はピアノもコンクールに出演するほどの腕前らしいし、もののけ姫の出だしの最初のベース演奏が、夜も眠れないほど頭にあったとかで、将来が頼もしい音楽才能の持ち主だ。
次は、高木くんお得意のバッハ2曲。1曲目は無伴奏のシャコンヌ、2曲目は「2つのヴァイオリンのための協奏曲」だった。ヴァイオリニスト高木和弘と名誉の共演をしたのは、2年生の青木優佳さん!ツィゴイネルワイゼンを弾ききる、というソリストの腕前もある彼女の、ものおじしない、堂々とした弾きぶりに拍手!テクニックといい、容姿といい、彼女もプロへの道へ進む1人のような気がする頼もしい後輩だ。
司会役?の高木くんにマイクを向けられた、佐々木信明先生曰く「彼女はお嬢と皆から呼ばれてます。お嬢、その名の通りですね。かつては美空ひばりもお嬢、でしたが…。やっぱりヴァイオリンを持った時の彼女は一番存在感がありますね」だった。それを受けて青木さん「こうして共演させて戴いて、とても勉強になりました」と謙虚な挨拶を返していた。
休憩を挟んでの演奏は、最近、高木くんが取り組んでいるという“クラブミュージック”。ヴァイオリン、キーボード、ヴォーカル、にオケ部の弦楽セクションが加わってBlow Your Mind ほか全9曲が賑やかに演奏されたはずである。私は、バッハの余韻を壊したくなかったので会場をあとにしてしまった。演奏して下さった皆さま、ほんとに申し訳ありません。
Last Update : Nov.1,2008