六稜NEWS-081025
シャンソンに魅せられた男の「75才、現状報告」
シャンソンに魅せられた男の「75才、現状報告」
骨髄バンク支援・川島弘ソロコンサート
ぼくとシャンソン

reporter:河渕清子(64期)

川島さんが第1回リサイタルを開いたのは10年前だった。 吹田メイシアターホールで「これが最初で最後のコンサートになるかもしれませんが…」と聞いた記憶があるが、当時患っていた膝関節症を見事克服した彼。“お遍路の旅”は彼に再起と感謝とそして情熱を与えてくれたのだろう。 「土曜の午後はシャンソンで」を主宰する傍ら、毎年チャリティコンサートに出演するなど、それからの活動は目覚しい。

待ちに待った第2回目の彼のリサイタルが、10月25日17時より兵庫県立芸文小ホール(西宮北口)で開演された。静まりかえった場内、ほの暗いステージに「時は過ぎてゆく」の演奏(ピアノ・ギター・ベース)が流れているうちに、黒の上下できめた川島弘さんがマイクを手に歌いながら登場…。相変わらずお若い。10年の歳月が過ぎたとはとても思えない。ホールはほぼ満席の入りでその大半が女性客。私たち同期生の顔もあちこちに見られ、お友達づれ、ご家族づれの人など。

ステージ中央に移って先ず川島さんの挨拶、「会場まで送ってくれた息子に「生前葬みたいだ」と言われまして…今日、ここへお見えになったお客さまは私が死んでも葬式には来られなくても結構ですので…」に会場はどっと湧く。

「第1部」は「桜んぼの実る頃」「若者は歌う」「ふるさとの山」「ラ・ボエーム」「遠くへ行きたい」「さとうきび畑」などお馴染みの曲8曲をトークを挟みながら歌ってくれた。
 休憩を挟み「第2部」の曲は、彼が敬愛してやまないジルベール・ベコーの歌、「闘牛」」「メケメケ」「マリー・マリー」などの名曲10曲。「詩人が死んだとき」は♪“皆さまもご一緒に”♪。

彼のシャンソン、そして歌への熱き想いは歳を感じさせない若々しさがある。聴く人の心を揺さぶり心に沁みる歌唱は、いつも私たちに感動を与えてくれる。ぼそぼそと軽く流して歌う歌手とは違って、彼の歌は朗々と響き且つ言葉のニュアンスを的確に伝えてくれる。高音の伸びといい、お歳を疑いたくなるほどだ。
そして、トークの端々から伝わってくる「感謝」の気持ちは彼の信条でもあり、あのお人柄の源なのだろう。また川島さんファンが増えそうだ。若さと情熱と、そして思いやりを私たちに与えてくれた川島さん、ありがとう!
またのコンサートが待ち遠しい。

Last Update : Oct.30,2008