六稜NEWS-080905
作業全景
六稜同窓会名簿2008、製作急ピッチ

reporter:谷 卓司@98期

作業風景1
5年毎に発行されている会員名簿。故人を含めると、優に3万人を超える六稜人の名が掲載され、ページ数は1,000を超える。今年は創立135周年の年でもあり、この名簿の発行年となっているため、同窓会事務局では、総動員態勢で、最後の校正作業に余念がない。
特筆すべきは、100期代の若手卒業生が、その任にあたっていることと言えよう。彼らの多くは、mixiでの募集を見て、この短期集中型(9月の月水金のみ)のアルバイトに応募してきた。

勝田敬志くんは117期。京大法学部の2回生だ。学生の間に世界旅行をしたくて、その軍資金稼ぎにやってきた。イタリア行きの格安航空券が10万円というのにも驚くが、それとは別に、燃油サーチャージ代が7万円かかるそうだ。昨今の原油高はアタマの痛い問題だが、少しでも旅費の足しになってくれれば、と思う。校正の苦労を聞いてみた。「海外宛の住所が(欄内に収まりきらずに)途中で切れてしまっている場合とかが多いですね」。

同じく117期の日野幸香さんは奈良女の4回生。学生最後の年に、いろんな社会経験を積んでみたくて応募したという。彼女は年初、橋下知事(当時は候補)の選挙事務所で応援ボランティアも体験したという。「『桃太郎』って言うんですよ!」候補の後に連なり、実際に府民にチラシを配ったりする様を、業界的にはそう呼ぶそうだ(笑)。
「掲載/非掲載の希望を取ってるじゃないですか。それが正しく反映されていない場合とかがありますね」。なるほど、名簿の校正作業というのは、そういうチェックもあるわけだ。

作業風景2
115期の岸田勲くんは阪大理学部の修士。すでに来春の就職は内定済みという。「社会人になる前に運転免許を取得したいのですが、秋休み中に合宿で取るのも慌ただしいので」名簿校正バイトの短期さが都合良かったようだ。「氏名の外字問題が目につきますね。ハシゴ高とか、崎/嵜、渡辺/渡邉/渡邊、斉藤/斎藤/齊藤/齋藤…。ボクの苗字の『岸』の字も、本当は山冠じゃなくて山偏なんですよ」。異体字の問題は日本のIT界では痛い字の問題である。

釜田有理絵さん(109期)は大学で専攻した考古学を活かして遺跡発掘の職に就いていたが、昨今の府財政難の煽りで、この春リストラを余儀なくされた。ちょうどそれを聞きつけた同期の友人の紹介で、5月末から名簿DB(データベース)の入力作業に従事している。
「私のところにも『六稜会報』は届いていて、もちろん名簿掲載情報の確認ハガキが同封されていましたが…正直のところ、自分がこのシゴトをお手伝いするまでは、ほとんど意識することがありませんでした」そう胸の内を語る。
「実際に名簿に掲載するかしないかは各自で選べるわけですから…転居などの際には、必ずこのハガキで連絡して欲しいですね」。幸運にも、発掘調査のほうで欠員ができたらしく、彼女はこの秋、元の鞘に戻れるそうだ。
「また私も落ち着いたら、忘れずにハガキを出しますね」。

返送されてきた会報の山
家事手伝いをしていた井上聡子さん(103期)も、同期の常任理事の紹介で5月末から名簿DBと格闘している一人である。彼女の机の脇には、配達されずに返送されてきた会報の山がうずたかく積まれていた。「若い人ほど異動が激しいですからね…」送付する24,000通の会報のうち、毎回300通くらいが不達で戻ってくるそうだ。
「実家に連絡の取れる学生さん等は、就職先や転居先を実家から教えて貰って、本人と連絡が取れたりもしますが…」、事務局でうまく行方が追求できるのは、よくて半分だそうだ。

「学年理事さんに同期の《不明者》を撲滅していただくようなお願いもしていますが(中には不活性な期もあったりしますし…)、基本的には各個人の自主申告が前提となっていますので、これからは名簿発行年に関係なく、毎回、会報発行の度に、最新情報をフィードバックしていただけるような工夫を、広報委員会とともに考えて行きたいと思っています。」この日も、校正アルバイトたちを応援すべく、17:00前に差し入れ持参で駆けつけた名簿委員長の和田芳郎さん(80期)が、そう締め括った。

作業全景

Last Update: Sep.10,2008