六稜news-080712
打ち上げ済みの衛星例
▲打ち上げ済みの衛星例(各衛星写真は©JAXA提供)
六稜トークリレー【第54回】
「日本の人工衛星開発史〜「おおすみ」から「かぐや」まで」、そして金星・水星へ」間瀬一郎さん@80期

reporter:石沢誠司@蒼穹会S41年卒(長野県立上田高出身)


講演中の間瀬さん
間瀬さんと私は最近、蒼穹会(京大陸上部OB会)の会誌編集の席で顔を会わせます。両方とも編集委員だからです。しかし彼がどんな仕事をしているか詳しく知る機会はありませんでした。今回、蒼穹カレッジ(六稜トークリレー)で間瀬さんのお話を聴いて、彼が卒業してから現在まで人工衛星の仕事に打ち込んできたことを知りました。

またお話で人工衛星とはどんなものであるかが良く分かりました。一般の報道では打ち上げ時や、宇宙飛行士の船外作業など華やかな側面だけがニュースとして報じられますが、その裏に多くの涙ぐましい努力があることも分かりました。
人工衛星を軽くする努力、折り畳んで小さくする努力、また安い打ち上げ費を求めて使用済みの大陸間弾道弾を利用する等、限られた費用で奮闘する間瀬さんの姿が講演から伝わってきました。

「たんせい3号」製造中の様子
▲衛星試験中の間瀬さんの様子(1977年頃)
印象に残った話はいくつかあります。人工衛星は5〜10年間の寿命が課せられているため、最新技術は10年持つかどうか分からないため使えない、したがって10年以前の技術を新しく組むのだそうです。「人工衛星は最新技術のかたまり」と思っていたが違いました。
また通信の静止衛星でアンテナのかたちを楕円形にして朝鮮半島に電波が届かないようにしたら、韓国から文句がきたという話。これは国の文化政策として隣国に電波を送り日本の放送を見てもらうほうが大事ではないかとも思いました。
とにかく面白い話が多かったので、新書版の本を書いてほしいです。

Last Update: Jul.18,2008