六稜NEWS-070804
六稜トークリレー【第44回】
「硫黄島の兵隊〜生還した父が遺していったもの」〜吉川清美さん@80期

reporter:内藤美津子@76期


 吉川様 お父様の貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。私は、職場の同僚に薦められて「硫黄島からの手紙」の映画を観て、硫黄島での戦いの悲惨さを知りました。そして、62年前にドラマではなく実際に、硫黄島で闘ってこられた方のお話を伺える機会があることを友人から聞いて参加させていただきました。

 大学で講義を受けたある先生は、ニューギニア戦の数少ない生存者で、戦争が終わって20数年を経ても当時の夢を見て飛び起きるとおっしゃっていました。その時の話がずっと脳裏に残っています。それで映画を観た時も思ったことですが、今回のご講演でも、吉川様のお父様をはじめ一人一人の兵隊さんは死と直面しながらどんな思いで毎日の生活を続けておられたのだろう?無事生還されても、戦争のトラウマが多くの兵隊さんを苦しめたのだろうと思いながら拝聴いたしました。最後に見せていただいた写真やDVDは、映画で感じた恐ろしさとは別の身震いするほどの恐ろしさを感じました。また、無数の穴のあいた岩の写真や遺骨が白い花に見えるというお話にも戦慄を覚えました。

 本当に当たり前のことですが、今、戦争を知らずにこうしてのほほんと暮らせるのは62年前の戦争で闘ってこられた多くの方々の礎があってこそと改めて思いました。このような実際にその場を生きた方のお話をもっと多くの人々に知って貰いたいと思います。こういうお話を聞いた後は、ズボンをだらしなく履く男子生徒に「きちんとズボンを履きなさい」と声を大にして言いたくなります。

 貴重な体験談を拝聴できたこと、また、その機会を与えてくださったお世話係の方々にお礼を申し上げます。

Last Update: Aug.23,2007