六稜NEWS-060827
    サマーミュージックフェスティバル大阪2006
    「モーツァル・トォ」


    reporter:河渕清子(64期)

門良一氏さん@70期
 
    「後宮からの誘拐」序曲に始まり「フィガロの結婚」序曲のアンコールで終わった昨晩の演奏会。「サマーミュージックフェスティバル大阪2006」第4日目は門良一氏(70期)率いる「モーツァルト室内管弦楽団」とソリスト6人の共演という豪華版だった。

    さすが今年は、モーツァルトには食傷気味な私だけど、「モーツァルト室内管弦楽団」後援会に籍を置いている関わりから、この日もいずみホールのk列18番に座っていたのだ。
    何時聴いても、門さんの的確・明快、そして流麗な指揮のもとで奏でられるモーツァルト音楽は「これしかない」とさえ思える。 楽器のバランスやメンバーなどもモーツァルトに向くような編成に仕立てた指揮者の思いが、ここにも潜んでいるのかもしれない。

    以前、門さんにお聞きしてみたことがある。
    「本番まで練習は何回ぐらいされるんですか?」には「2回ですよ」とさりげなく。たったの2回には驚いた。また「演奏会では、たまにしか楽譜に目を落とされてないようですが、全曲を暗譜されてらっしゃるんですか?」には「いえ、暗譜するのがいいんでしょうがね…暗譜してませんよ。もし間違えて振っても、団員はちゃんと正しく演奏を進めて行ってくれますからね」と笑顔で答えてくださった。指揮者もメンバーも、まさにこれがプロなのだろう。

    当日の演奏は、曲目をオーボエ協奏曲からファゴット協奏曲、フルート協奏曲、そして最後のヴァイオリン協奏曲と並べ立てたせいか、ソリストがも一つだったせいか、ファゴットのあのとぼけたような音色で奏でられてる途中では眠くなるようだったが、オーケストラだけの演奏部に入ると音楽もしまり、私の感覚も冴えてきた。 年間何本もの演奏会をこなし、絶え間なく音楽活動に没頭されている門良一氏のバイタリティには全く感嘆するのみだ。何時までもお元気でタクトを振っていただきたいと願っている。

    井岡潤子さん 尚、補筆するなら、演奏会の私のも一つの収穫は「オペラアリア名曲」6曲(内2曲はデュエット)を歌ったソプラノの井岡潤子さんだった。まろやかで透明感のある知的な歌声、技術もさすがベテランの域。以前「第九」で聴いたことはあったが、やっぱりオペラの人だと思った。歌ってる時の表情も、歌い終わった時の微笑みも素晴らしい。 彼女のリサイタルでもあれば、また聴きに行ってみたい。

    Last Update : Aug.30,2006