六稜トークリレー【第28回】 「声楽室内アンサンブルの楽しみ」 コロ・スペランツァさん reporter:徳永眞一郎 | |
身内がコロ・スペランツァの一員に加えていただいているご縁で、今回の「声楽室内アンサンブルの楽しみ」を鑑賞する機会を頂戴することができました。 トークリレーという講演会スタイルの催しの中で、どのように合唱を料理されるのだろうと思っておりましたが、演奏に偏る訳でもなく、またお喋りが邪魔する訳でもなく、とても良いバランスでプログラムが進行し、退屈する間もなく2時間近くが過ぎました。5月の森ノ宮でのコンサートも聞かせていただいているだけに、今回の催しの趣旨にそって随分と工夫された感じが、よく分かりました。「赤とんぼ」を声のパートに分けて観客と歌う試みも、イベント的な趣向として成功していたように思います。 芸術監督の坂口さんは、「口下手で」と仰っていましたが、どうして、どうして。花粉症のオチでつないでいくあたりは、かなりの練達の語りべとお見受けしました。 ロマン派と古典派の解説も、分かりやすく、言葉だけは聞き知っている私のような門外漢には、改めて勉強になりました。音楽に対する鐡見さんの誠実な愛情のようなものがにじみ出るお話だったと思います。ただ、会場の構造の問題から、プロジェクターの画面が小さかったことと、舞台上手の観客には、角度的に見づらかったのではないかということが、残念でした。 北野高校のOBの皆さんが醸し出す品位ある会場の雰囲気ともあいまって、穏やかで豊かな気持ちになるコンサートでした。今後の活動に期待しています。 |