六稜トークリレー【第28回】 「声楽室内アンサンブルの楽しみ」 コロ・スペランツァさん reporter:河渕清子(64期) | |
フロアにはグランドピアノが据えられ、思い思いのステージ衣装を纏った歌手たちが並ぶコンサート会場と化した今日の会館ホールである。 16人中9人もが六稜生という【コロスペランツァ】の演奏は、モンテベルディのアカペラ曲でいきなり始まった。ルネッサンスを基調としながらもバロック風のこの曲はパートからパートへの流れを、時にはリズミカルにハーモニーを満喫させてくれた。 6曲を歌い終えたところで指揮者坂口和彦さん(90期)の挨拶。メンバー紹介までを自らを口下手と言われて首を傾げたくなる軽妙なトークでなごやかな空気が会場に流れた。 引き続き「ロンドンデリー」を美しいアンサンブルで聴いた後、坂口和彦さんのリードで「赤とんぼを皆さんと一緒に歌いましょう」に移る。さらっとパートごとにレッスンしたものの、何と不揃いなめちゃめちゃ即席四部合唱が会場に流れた(笑)。 これより休憩タイム。狭いホールロビーでは出演者と聴客との歓談で賑わっている。 20分間はまたたく間に過ぎた。 「第二部」の開演。 ブラームスの曲に入る前に、鐡見太郎氏(93期鐡見佳子さんの夫)のスライド投影付きのお話。古典派とロマン派の明快な解説、音楽の構築性と展開性は手塚治の作品でも表されていることなどなど、もっと聞かせてほしい興味深い内容のトークだった。 いよいよ待望のLiebeslieder (愛のワルツ集)Op.52の演奏である。素朴で民謡調のものが多い歌詞をブラームスにより優しく、あるいは激しく表現されているこの曲は、何度聴いても美しい。何処かで聴いたようなメロディに出会えて楽しいし、私はすっかりブラームスの世界に浸ってしまった。余韻のさめやらぬ会場にアンコールの拍手が鳴り、ブラームスの「愛の歌」で終演。 素晴らしいソプラノソロ鐡見佳子さん(93期)とテノールソロ福田研二さんのお2人、華麗なタッチで演奏会を一層盛り上げてくださったピアニストさん(正田真紀子さん)、感動をありがとうございました。今後とも、コロスペランツァのご活躍を期待してやみません。 ※年1回はトークリレーにもコンサート形式のものがあってもいいと思っています。 ホールにグランドピアノが常設されればこの上ないのですが。 |