関西医大の枚方病院を71期有志が視察 reporter:谷 卓司(98期) | |
関西医科大学の新しい附属病院がそれ。学長の日置紘士郎さんは六稜71期。平成10年当時、教授だった日置さんは新病院建設のプロジェクト・リーダだった。現病院の建て替え案なども検討されたが、年間10億円もかかる維持費では、数年で新築と同じコストが掛かってしまう。そんな折、枚方市の倉敷紡績の跡地が借りられるのでは…という話が浮上。50年間の借地権という案が検討される中、同窓会の強力なバックアップにより、大半の土地を購入することができた。 足かけ8年の構想を実現するにあたって、施工会社には竹中工務店が選ばれた。当時、設計部のトップにいたのが宗田奎二さん。やはり六稜71期であった。かくして、30ケ月の異例の工期で、地下1階、地上13階の新病院が竣工する。敷地面積は58,000平方m、のべ面積で70,000平方m。ここに700人の患者さんを収容できる。患者一人あたり101平方mという…ゆとりの広さは、今のところわが国では最高のアメニティ水準を誇る。 淀川河川公園にも隣接し、13階の展望レストランや各階のデイルームからは、リバーサイドの見事な眺望が広がる。12階は特別病室。まるでホテルのスイートルームを彷彿とさせる設えに、見学者一同が溜息をついた。 6階には屋上庭園があり、入院患者でも陽光の下、デッキテラスでくつろげる設計となっているほか、5階にはこども広場も備えられ、とりわけ女性や小児に優しい配慮がなされている。 4階には17の手術室、2階の外来診察室では、PHSを用いた呼び出しシステムが導入される予定で、館内のどこに居ても診察の順番を知らせてくれるような仕組みになっている。館内にはコンビニ(ファミリーマート)やカフェ(ドトールコーヒー)も出店しているから、診察の長い順番を、病院特有のソファに腰掛け、沈鬱な気持ちで待つ…という従来のイメージは払拭されることであろう。 白い巨塔と揶揄されることの多い「病院」の、患者目線でフランクな新しいアプローチは、市民に親しみを持って迎え入れられるであろう。いま注目のホスピタルである。 ※このあと一行は、ひと通りの見学を済ませ、会場を「ひらかた仙亭」に移し、懇親と旧交を温めた。 |
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