六稜NEWS-050903
    六稜ト−クリレ−【第23回】
    「楽器の街に楽器の博物館
    〜日本初・浜松市楽器博物館の挑戦」
    嶋 和彦(86期)さん



    reporter:花房厚希(118期)

    僕は今回初めてトークリレーを聞きに行きました。きっかけは図書館に貼ってあったポスターで、そのポスターに載っていた見たこともない奇妙な金管楽器に惹かれたからです。僕は引退するまで吹奏楽部に所属していたこともあり音楽にとても興味があったので土曜講座の後、せっかくなので聞きに行くことにしました。
    講師の嶋さんは86期の先輩で浜松市楽器博物館の館長さんだそうです。講演は映像と音をふんだんに使ったもので目でも耳でも楽しむことができました。

    最初に世界で初めて作られたピアノの音を聞きました。僕も含め多くの人がチェンバロと勘違いしてしまうほど現在のそれとはまったく違う音でした。しかしそんな昔のピアノの音が現在のピアノの音に劣っているなんてことはなく、むしろ逆に一つ一つが手作りで作られ、一つ一つに個性がある、あたたかみのある昔のピアノの音に僕は惹かれてしまいました。
    そんなピアノが現在のピアノに至るまでいろいろな改良が重ねられ、中にはペダルが4本もあり、それでベルを鳴らしたり底の板をバンバン叩く機能がついたものもあり、その映像と演奏を聴いて思わず笑ってしまいました。

    その他にも浜松市楽器博物館にある今ではなくなってしまったいろいろな金管楽器についても紹介してくださいました。僕はチューバを吹いているということもあり金管楽器については詳しいつもりだったのですが、次から次に出てくるのは見たことも聞いたこともない奇妙奇天烈な楽器ばかりでその形や音に驚かされてしまいました。今の金管楽器には音がきつく鋭いイメージがありますが、今回紹介してくださった楽器はみんな音色がやわらかく明るい音色のものばかりでした。確かにそのような楽器では現在の大編成になったオーケストラでしっかり鳴ることはできません。でもバッハはモーツアルトなどの昔の曲を演奏するときに実際にその曲が作られた時代の楽器編成で当時の楽器を使ってする演奏というのもすごく聞いてみたいと思います。「昔のフォルテは昔の楽器のフォルテであって今の楽器で出すフォルテとは違う。」とおっしゃった嶋さんの言葉に思わずうなずいてしまいました。

    このように浜松市楽器博物館にある楽器を取り上げながらピアノや金管楽器のほかにも楽器の起源である打楽器などについても現地のビデオなどを使いながら解説してくださいました。今回の講演で僕たちが今まで知らなかった、今はなくなったり変わってしまった昔の楽器がどれだけすばらしく魅力的な楽器なのかを知ることができ、昔の音楽にとても興味がわき楽しい時間を過ごすことができました。これまで現在の音楽しか見ていなかった僕の視野も広げることができとてもいい経験になりました。本当にありがとうございました。



    Last Update: Sep.13,2005