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六稜NEWS-050702
Aim High!
ラグビー・ゴールポストを母校に寄贈
reporter:蜷川善夫(85期)
7月2日(土)、六稜ラガークラブ(北野高校・中学校ラグビー部OB会)の年次総会が、北野高校において開催されました。 総会後、恒例となった現役選手とOBとの交流試合もあわせて行われました。昨年度は部員の減少により、特別の小人数試合への出場を余儀なくされた年でしたが、今年は13人もの新入部員があり、夏の合宿を乗り越えて、大いに修練を積み、立派なチームとなりそうな予感があります。現役選手の意気込みも素晴らしく、熱く正月の花園出場を「約束」してくれました。多数の六稜人のご声援をよろしくお願いします。
また、当日、総会に先だって、六稜ラガークラブから母校に対して、既存のものに代えて一段と高いラグビー・ゴールポストの贈呈式が行なわれました。
これは、昭和32年から昭和62年まで北野高校で教鞭をとられ、ラグビー部の部長先生として多くのプレーヤを育て、また、日本協会の国際レフリーとしても長く活躍された野々村博先生が、今春、大阪経済大学教授を最後に教職を退かれるにあたり、先生が長い教職人生の中で最も楽しい思い出を残された北野高校に対する感謝のお気持ちと北野のラグビーが永遠に続け、との願いを込めて頂いたご厚志をもとに、六稜ラガークラブが寄贈したものです。
贈呈式に臨んで、このラグビーポストに込めた先生のご挨拶が大きな感動を呼びました。是非、多くの六稜人、現役諸君にも伝えてほしいとの声が寄せられ、先生にお願いして、原稿を頂きました。北野の生徒は、大阪、日本という狭い視野にとらわれず、世界を相手にしてほしい、との気持ちが込められています。
高志を平常とすべきを 六稜ラガー健児に希求して
環境が人間を育てると言われます。学校教育において、生徒がそれを取り巻く教育環境から受ける影響は真に大なるものがあります。北野高校は、大阪の第一中学として創設されて以来、大阪を代表する学校として校舎も施設などもトップクラスを誇ってきました。正に一流です。
私が北野で教わったことは、「一流であれ」と言うことです。世界へ羽ばたくであろう北野の生徒には、北海道大学の前身、札幌農学校で教鞭をとられたW.S.クラーク博士の「少年よ!大志を抱け」の心を伝えることだと思いました。北野の教育の根幹をなすものは、個々の能力を自由奔放に伸ばし、世界的視野をもつ大人(たいじん)を育成することでしょう。
私が、担当した体育部門では、こんなことがありました。戦時中に生徒の勤労奉仕によって造られた50mプールが老朽化した時のことです。このプールは戦時の鉄不足から今では想像もできない竹筋コンクリートプールであったため、傷みも早く漏水が激しく、プール用水道料金の嵩高さに音をあげた府教委から再三改装の要請がありました。しかし、新設条件として提示されたのは、大阪府の統一基準である25mでなければならないというものでした。25mプールなら2つ造ってもよい、との詭弁的条件を受け入れず、あくまで50mプールにこだわったのは当時の体育主任であった平石亮三先生でした。25mプールに慣らされた新入生が、北野の50mプールを眼前にして、いかに大きく感じ、度肝を抜かれたことか。逆に50mプールを常に我がものと親しんだ生徒は、25mプールを見て、なんだ、北野のプールの横幅ではないか、と臆することもないでしょう。
六稜ラガークラブの諸先輩が、今回、北野のグランドに12mのラグビーポストを寄贈されたのもこの志があったからこそです。低いポストを狙ってのキックは目標値も低くなりますが、12mのポストなら仰角が一段と高くなります。越えるバーの高さは同じでも、蹴り上げる心は自ずと宇宙へ広がるのではありませんか。「燕雀安知鴻鵠之志(えんじゃく いずくんぞ こうこくのこころざしをしらんや)」であります。
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この言葉を受けて、中垣校長先生からは、「このメッセージを銘板に刻み、永く伝え残したい。」との謝辞がありました。
「高志を平常とすべきを六稜ラガー健児に希求して」
この言葉は一人、「六稜ラガー健児」だけに向けられたものではありません。「全ての六稜健児」がこの高くそびえるゴールポストを仰ぐ度に、この言葉を噛み締め、北野で学べることの誇りを胸に、大きく世界に想いを馳せてほしいと思います。
最後に改めて、このような貴重な機会を頂いた野々村先生に深く感謝いたします。
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