六稜ト−クリレ−【第18回】 「ある街角の物語」併設展について
reporter:河渕清子(64期) | |
六稜会館B1Fの「六稜ギャラリー」では、学校関係の展示(歴史的書物・六稜著名人の書画・手塚治氏画のイラストなど)と共に、当日の講演に併せて、講師岡原進さんの貴重な報道写真9点と、成安造形大生による「ある街角の物語〜DVDパッケージデザイン展」が展示されていた。中でも、とりわけ私の目を奪い心を惹かれたのが、このパッケージデザイン展だった。 過去の諸々の古い作品が展示される中で、突然新鮮なものに出会った思いがして「現代」を感じながら、その作品世界の一つ一つに吸い込まれて行った。デザイン技巧のテクニックも素晴らしい。美術系大学で学習中の彼らだから当然とはいえ、1962年に作られたあのアニメを観て、20代の若者が何を感じ、自らの作品にその思いをこめたか…も、一点づつに添えられている個々のメッセージから伝わって来て、とても興味深く愉しかった。 わたしたち世代が『ある街角の物語』から感じるレトロな「ほのぼのさ」より、彼らには「反戦」の思いが印象強かったのだろうか…それをどのように表現しようか?という点に力点を置いたように見受けられる作品もあったりで、有意義に楽しめた憩いのひと時だった。 「作品の人気投票をしようか…」という企画者の声は実現しなかったが、来館者の皆さんの注目を集めていたのは間違いない。惜しむらくは、この20点におよぶ力作を、もう一度ゆっくり鑑賞するチャンスがなかったのがとても残念に思う。 |