六稜NEWS-040728
    なにわことばのつどい〜第22回総会
    おばあちゃんから聞いた大阪辯

    reporter:河渕清子(64期)


      恒例「なにわの日ぃ」総会が「七月二八日」18時半より、今年も谷町6丁目の薬業年金会館3階講堂で開催された。レギュラ−ゲストに「船場を語る会」主宰の三島祐一氏(六稜60期/“船場を語る会”主宰/四天王寺国際仏教大学名誉教授)、日本ペンクラブ会員の井澤壽治氏のお二人。

      『第一部』は“なにわことば代表世話人”中井正明さん(64期)の挨拶の後、レギュラ−ゲストお二人の3分間卓話に引き続き、ホンモノの「船場ことば」のお手本として、地唄筝曲の人間国宝『菊原初子さん』が、亡くなる前(100歳)英国BBCの取材を受けてお話をされた時のビデオ映写(抜粋)があった。「芸論」に「人生観」を織り交ぜた雅味のある流暢なお話しぶりは、お歳を感じさせないばかりでなく、「なにわことば」の真髄に触れる思いがした。全編を通して聞けなかったのが心残りだったが…。

      ●関連記事 http://www.nhk.or.jp/a-room/kotoba/03osaka/03episode04.html

      道修町の少彦名神社参道にある「春琴抄の碑」の文字は彼女の筆になるものだが、その翌年に亡くなられこれが絶筆となっている。

       
      『第二部』は本日のメイン「おばあちゃんから聞いた大阪辯選定大会」が友成光吉氏(なにわことばのつどい顧問)の司会・進行で始まった。 あらかじめリストアップされた大阪辯の単語(「七二八」28号に掲載)がいろは順に各2〜6語。それを順番に検討しながら、それ以外の「なにわことば」を思いつくまま発表、会場の全員で論議・選定して行くという趣向。 「うちのおばあちゃんが使ってたことば」があちこちから声が飛び、場内はなにわム−ド一色。「いや、それは河内辯や」「それは共通語」「それは造語」などなど「なにわことば」としてのお墨付きもなかなか厳しい。最後の「…ゑひもせすん」まで到達するには遂に時間が足らず、続きは次回に引き継ぐことになった。

      また「間違った大阪辯の使い方」の一例として、今回はテレビコマ−シャルの「くっさないマイルドセブン」が取り上げられた。「くっさ」は単独の大阪辯で「くっさない」とは活用しないから明らかに間違いである。

      終わりに三島氏は、あるフランス人も云っていたが、今の日本人は外来語を使い過ぎである。古いものをどんどん壊して新しい語を使っている。日本のイメ−ジが崩れていくようで残念…と。 言葉は文化である。古き昔の「ことば」を懐かしむだけに留まらず、失われて行く文化を再認識して未来に伝えて行くことこそ重要ではないだろうか。と結ばれた。

      最後に中井さんの打つ拍子木に合わせて一斉に「正調・大阪手打ち」で締めてお開きとなった。散会21時。

      ※ 例会「なにわことばのつどい」は毎月28日18時より(ただし8月はお休みです)、東梅田の「フォンテンブロ−(TEL:06-6313-0585)で開催しています。どうぞお気軽にご参集ください。「なにわいろはかるた」も発売中。


    Last Update: Aug.2,2004