この度の講義で中井先生が度々口にしておられたのは「当たり前のことを真剣に考える」ということでした。最近はマスコミが環境問題をドキュメンタリーなどにして放送する機会が増えたためか、10年ほど前に比べて人々の環境、主にその中に存在する生き物への関心は急速に高まっているように思います。しかし、人々の「人間としての」考え方自体はそう変化はしていません。実際にブルーギルやコクチバスのように、ちょっと考えればすむことを考えない人々がいたために、急速に在来の生態系を破壊している例がいくつもあります。このような事例を増やさないためにも「当たり前のことを考える」必要があるのだと思います。
ですが、いざ考え始めるとあることに気付きます。彼らに罪は無い、ということです。出来れば殺したくない、放っておいてあげたい、そう繋がるのです。
僕はこれを「しかたない」、そう思います。可哀そうと言うならば、むしろ問い返したい気持ちです。彼らを可哀そうな状態にしたのはいったい誰であるのかと。人間は自然を改変せずに生きていくことはほぼ不可能です。それゆえ利用する以上、目先のことだけで破壊を行うことは自らの首を絞めることにもなり得るのです。また壊れかけたものを中途半端なエゴで戻そうとしないことは、より自然を痛めつけることになるのです。自然はどれだけ破壊しても文句を言いません。だからこそ人間が後始末をし、利用するならば継続的な利用を考えていかねばならないのです。そして当たり前のこと、つまり自然が「自ずから然り」ではないことを常に忘れなうようにしなければならないと思いました。
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●2日目、琵琶湖博物館の見学ツアーにて
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●館内レストランでは「ブルーギル丼」をお試しあれ!
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