六稜NEWS-031220
73期有志による教育問題を考える“Project-K”
第一回セミナー報告
reporter:久保禎男(73期)
1.はじめに
73期の京大の梶本さんあたりが日本の教育の現状を憂い、定年後に仲間が集まってこれらに関してなにか社会にお役立ちが出来ないかという問題意識で2年前に始まったのがPRJ−Kです。本件は、2ヶ月ごとに5〜6人で集まって議論をすればするほど間口が広く、奥行きの深い大きな問題だということがうっすらとわかってきた段階です。
なにか並行して行動に移さないと議論倒れになるので、教育問題に警鐘をならしておられる京大の上野健璽教授に講演をお願いすることといたしました。日時は平成15年12月20日(土)15〜17時で場所は六稜会館です。
2.上野教授の講演の概要(テーマ「ゆとり教育と学力低下問題」)
学生の学力低下の傾向は80年代後半から現れてきた。今では大学の授業についてゆけない学生が多数出ている。これらの原因は高校教育のみならず小学校以来の積み上げ不足の結果という気がする。
ゆとり教育なるものは当初おちこぼれ対策であった。しかしその後は変質し、基礎学力の向上がおろそかにされて、間違ったアプローチによりファミコンの時間を提供するような馬鹿げた結果となっている。その結果公立中学では英語、数学、国語がわずか週3時間止まりとなった。欧米では一部の人だけでは世の中は動かないとの認識の元、底辺教育こそが重視されている。日本では優生学上できる子は優遇して当然という極論もでる始末で、結果的に優秀な子は私学に流れざるを得ない状況となった。これらの集大成として、宇宙開発の失敗やJR東日本及び各地の工場での相次ぐトラブルにつながっているのではなかろうか。
なにか打開策があるかといえば、教育基本法にその原点のヒントがある。教育の機会均等や教育者の全体への奉仕が明記されているからである。また、本件こそ定義を明確にして議論をウヤムヤにしないことが肝要であろう。
3.全体の評価と今後の活動について
初めての試みでしたが20人の73期生に加えて一般人も数名参加がありました。なによりも北野高校から中垣校長、教頭先生を始め若い先生、学生さんも加わっていただき、総勢35人で質疑や意見交換に花が咲いて大成功でした。
なお、六稜会館の3階ホールは木の雰囲気が温かく、プレゼンテーション設備も揃い、椅子、テーブルを機能的に配置できて茶菓をも楽しめる絶好のセミナー会場でした。今後3ヶ月ごと程度の頻度でこの場所中心に活動をしていく予定です。
Last Update: Jan.17、2004