reporter:尼崎孝雄(58期)
晩秋の好天気に恵まれた平成15年11月15日午後、今年達者で喜寿を迎えた私達58期の旧友30名が、元気な顔で、竣工したユニークな設計の六稜会館に集まりました。折しも、当日は73期同窓会が終わったあとのことで、事務局の方々には、ご面倒をかけました。
早速、1Fの六稜サロンでは、和太守卑良(74期)さんの陶板作品『聖方』と募金者銘板を、B1Fではギャラリーと史料書庫を興味深く見学し、3Fの六稜ホールでは壽榮松さん(74期)の「六稜記念映像」ビデオを思い出深く鑑賞し、母校創立130周年記念として後輩に立派な遺産を残せたことは、本当に感慨ひとしおのものがあります。
ついで、平成大改築が完成した新校舎を見学しましたが、思いで深い、正門、講堂、教室等の旧学び舎は跡形もなく、素晴らしく立派な建造物に感心する反面、時の流れと、何とも言えぬ懐旧の一抹の寂しさに耽りました。さらに、昭和20年6月〜8月の大阪大空襲の際の米軍機による28ヶ所の生々しい機銃掃射弾痕跡のある本館西壁(メモリアル・ウオール)と同時期に焼夷弾により被爆死された2人の62期生の殉難を後世にに語り継ぐために昭和61年に同期生がその真下に建てられた「殉難乃碑」を目の当たりに見て、私達58期の村川一正君が石産精工三国工場へ勤労動員中、昭和20年6月7日に、悲運にも同様に焼夷弾の直撃を受け被爆死された事も思い起こされ、改めて、無念にも、我国の礎となって散った同君の冥福を祈りました。
森島先輩は、同期の南部博先輩(元オリンピック三段飛び優勝者南部忠平氏の実弟)とともに森繁久弥さんとは77年来の無二の大親友で今年5月10日の森繁さんの卒寿の祝いの席では最もつながりの長い旧友として乾杯の音頭をとられました。
前列左から森島さん、森繁さん、南部さん ※森繁さんの卒寿祝賀会にて(5月10日) |
文化勲章を受賞された大俳優・森繁さんの作品には、必ず女優さんとのお色気が付き物ですが、栴檀は双葉より芳しと申しますか…4年生の茶話会での「小咄 にぎりめし」の噺には、場内大爆笑でした。 森島先輩は、姿勢もよく、かくしゃくとして、とても88歳には見えず、私達58期の諸兄に遜色ありません。我々の良きお手本として見習ってあと10年は余生を頑張りたいと念願します。
約30分の森島先輩の卓話のあと、例年のごとく清木幹事の乾杯の音頭でお待ち兼ねの祝宴が始まり、持ち込みの銘酒「浦霞」「呉春」「天狗の舞」「松の司」…焼酎・ビールと4人の美人コンパニオンのサービスで談論風発、賑やかに刻の経つのも忘れるほどの大盛会でした。
宴席中、東京から夫人同伴で参加された上田伊一郎君の著書『商人卯兵衛奮闘記』の出版報告がありました。大塩平八郎の乱を町人の立場から捉えた大作です。上田君は大阪市北区天満の出身で、彼のご先祖の語り継がれた物語です。一冊1,365円(税込)です。ご希望の方はご連絡ください。
また、清木尚芳君・山県保君が今秋の勲章で受賞されましたことを報告しました。長年に亘る功績・ご苦労に敬意を表するとともに、元気で今尚現役で活躍されている事を心からお祝い申し上げます。
次期代表幹事の上小沢道弘君の挨拶のあと、例年の如く、信垣昭君のリードで全員高らかに校歌斉唱し、奥田和夫君の閉会の辞で喜寿の同窓会は盛会裡に幕を閉じました。
私達六稜58期生は、お互いに良き友を持ち、ゴルフ・囲碁・グルメ・歴史探訪・等の自趣味の輪を拡げ、自らの生き甲斐と健康管理に留意して、来年も元気に顔を合わせたいものと念願しております。