六稜NEWS-030728
    なにわことばのつどい
    第21回総会

    reporter:岩本裕子(64期)

    今年も7月28日(7・2・8=ナニハの日ィ)になにわことばのつどい第21回総会が谷町6丁目の薬業年金会館三階大講堂に於いて開催されました。この会の代表世話人を16年間続けて居られる中井正明さん(64期)は、六稜WEB上においても、六稜大阪学講座に「なにわことば三昧」を連載。音声付きで大阪辯の微妙なアクセントやニュアンスをくわしく納得いくように伝えて居られます。また、六稜会館主催事業の「六稜トークリレー」が9月からスタートしますが、そのトップバッターとして9月5日に中井さんの「大阪辯よもやま話」が予定されています。

     
    今回のテーマは「外来語大阪辯の番付決定大会」として日本語化した外来語を取り上げ、その中でも大阪辯としてよく用いられるものを横綱に…と相撲の番付表に倣って順位を決定しようという試みです。
    会場には会の世話人の方々の「なにわことばを 使いまひょ 広めまひょ 伝えまひょ」との思いのこもった大阪辯がとび交い、参加者はたちまち生粋大阪人の気分になりました。

     
    近頃は街中に横文字が溢れ新聞雑誌を見てもカタカナ文字だらけ、日常会話にさへパソコン用語が多用され「日本語はこれからどうなるのか」と心配する向きもあります。4月には国立国語研究所外来語委員会がとりあえず外来語の言い換え例を提案しています。「インフォームドコンセント=納得診療」「バリアフリー=障害なし」「デイサービス=日帰り介護」「ポジティブ=積極的」等。しかし「そう心配したもんでもおまへん」とこの会の顧問・友成光吉氏の話では日本人殊に商売の街大阪で海外との取引を中心に商いして来た大阪人は昔から外国語や横文字を取り込んで自分のものにし大阪辯にしてしまう名人だったそうな。

     
    大阪辯と思っていた外来語が数多くあります。「ばってら」「ピンからキリまで」はポルトガル語。「かぼちゃ」はカンボジア産の瓜のこと。最近では語尾を略した「ポケ・モン」和洋折衷語「メル友」など。よく言えば大阪は包容力のある街です。更にもっと昔、佛教伝来と共に日本に渡来した「てら」「むら」「なら」などは既に全く日本語になりきっています。

     
    さて外来語大阪辯の番付決定は、外来語で、全国的でなく特に大阪辯として使われるものと限定します。時間を忘れて熱のこもった議論が展開され結果は次のようになりました。


    東西
    横綱バッテラ(ポルトガル)ペケ(マライ・中)
    大関メリケン粉(英+日)ウンともスンとも言わない(ポルトガル+日)
    関脇キビショ(中)アイスクリン(英)
    小結レイコータント・ターント(伊)
    前頭ヒロウス(ポルトガル)
    ハンドン(日+和蘭)
    アチャラ漬(ポルトガル+日)
    ラムネ(英)
    セコ・セコハン(英)
    ナンキン(中)…等々

     閉会の言葉と「正調 大阪手打ち」の説明も興味あるものでした。東京の方では手〆めと言って物事の終りに手を〆るが、大阪では物事の始まりに手を打つのだそうです。正月に商人がお得意様とこれから一年よろしゅうと契約の始まりとして手を打つのです。参加者全員でこの会の今後の発展を願って手を打ち鳴らしました。


    Last Update: Aug.7,2003