reporter:河渕清子(64期)
写真:尼崎孝雄さん(58期) |
先ず、有名なトスティのセレナ−デで幕が開く。豪華な舞台にはプロのソリストも登場、美しい歌曲をたっぷり聴かせてくれた。幕切れ近く、主役のトスティ氏も歌ったのもまたご愛嬌。奥田さんは“楽譜出版社のリコルディ”というチョイ役だったので、第二部に期待した。
予想どうり第二部の「伊勢物語」では、奥田さんは在原家の家司の翁の役で、業平と高子姫を支える“主要な役どころ”で登場。(こちらの方はちょっとした踊り入り)
『翁』になり切った奥田さんは、さすがツボツボで決まって居て、イメ−ジ作りも身のこなしもとてもアマチュアとは思えぬほど。「本番に強い」実力の程を発揮されていたようにお見受けした。惜しむらくは、お声が翁の声になり切れてなかったような気もしたけれど、これも常日頃のお若さのなせる業かと。
若い頃よりの文学座のファンでもあり芝居通の奥田さんは、この劇団の主宰者兼演技指導担当の下平朝子さんとは小学校時代の竹馬の友とお聞きしている。演劇好きの奥田さんは彼女に懇請され2000年より入団された。
【劇団ASAミュ−ジカル】 演劇愛好の中高年者を中心に1985年に結成された。現在の劇団員は40余名。その舞台から客席に伝わる温かな(アットホ−ム?)雰囲気は多くのファンの心を掴んでいる。結成以来、毎年一回の公演を続け今年で18回目を数える。昨年は「夕鶴」「マイフェアレディ」を上演するなど、和洋取り混ぜた演目に意欲的に取り組み、熟年パワ−を遺憾無く発揮している。 |