Trainer:壽榮松正信(74期)
タイガー計算器もヘンミ計算器も、掛け算を足し算で行い、割り算を引き算で行うことは、現在のコンピュータと基本的には同じ原理に基づいています。
例題)123×456
●まず「123」を入力します。
●レバーが「1の位」にあることを確認し、ハンドルを6回まわします。
●【左】表示部には掛けた数字「6」が、【右】表示部には123に6を掛けた数字「738」が表示されます。
●次にレバーを「10の位」に移動し、ハンドルを5回まわします。
●最後にレバーを「100の位」に移動し、ハンドルを4回まわします。
●つまり…まさに手書きで計算する(筆算の要領!)そのままのデジタル計算器なのです。
●ハンドルを右側に回すと「掛け算」(足し算)、左側に回すと「割り算」(引き算)。巧く使えば平方も計算が出来ます。引き過ぎ時は「チン」という音ともに20桁の数字すべてが「9」になって並びます。
ヘンミ計算器の原理は、対数目盛と真数目盛りを使うことによって、かけ算は対数の足し算(長さで計算)、割り算は対数の引き算(長さで計算)で計算が出来ます。
温度や湿度による長さの誤差をできるだけ小さくするため、基本材料は竹を用いています。
これと、ガラス製の「カーソル」を用いることにより、連続してかけ算、割り算が実施できます。構造上、有効数字が2〜3桁程度しか出ないのですが、物理や化学の計算には重宝しました。