北野の校区みてある記
【千里の紅葉黄葉〜秋の深まり】
reporter:壽榮松正信(74期)
阪急電車にも『もみじ』マークがつきました。阪急電車には、祇園祭の時には「祇園祭」など、その時期に合わせたマークがつけられます。今年も紅葉の時期に「もみじ」マークがつき、雰囲気がでてきました。大阪では「箕面の紅葉」が有名ですが、千里近辺の紅葉を訪ねてみました。
十三から車で新御堂筋を北上すると、地下鉄桃山台に近づくあたりから、左に竹の群生、そして道路のそこここには紅葉、黄葉が見事です。紅葉前線が箕面から、新御堂を通り十三へと来る様子がミクロ的に見えますね。
春には、桜前線、つばめ前線、秋になってススキ前線、イチョウ黄葉前線などがあるようです。紅葉前線は、10月初旬に北海道の大雪山周辺から始まり、大平洋の海岸部では12月初旬まで約2ヶ月間にわたって、南下します。
この写真のように紅葉と黄葉とが混在しています。しかし、その発色のメカニズムは全然違うようです。紅葉、黄葉はどうしておきるのでしょうか?
葉が緑色にみえるのは、葉の細胞の中に葉緑体があるためで、光の中のその色だけが反射し、他の色が吸収されるからなのです。
気温が下がってくると葉緑体が分解されて緑色の色素がなくなり黄色の色素だけが残るので、葉は黄色に見えるとのこと。
また葉の中にもともと含まれていない赤色の色素が合成されてだんだんたまって、葉は赤色に見えるそうです。寒くなって温度、光、栄養状態などが変化すると葉の働きがおとろえ、老化するため紅葉がおきるのだそうです。
千里あたりは、十三と違いかなり温度の日変化が激しいためか、紅葉・黄葉があざやかなようです。紅葉がより美しくなる条件としては、
夜間の急激な冷え込み、
大気の乾燥による地中水分の減少、
直射日光の強さです。
といわれています。
万葉集にも紅葉が歌われています。散り過ぎることに人の死を重ね合わせたのでしょう。秋から冬への木々の変化は、人生と重ね合わせたことにより、寂しい歌が多いのでしょう。
作者では13例の大伴宿禰家持をはじめ、柿本朝臣人麻呂、大伴宿禰三中、額田王など多くの人が詠んでいます。
黄葉の過ぎまく惜しみ思ふどち遊ぶ今夜は明けずもあらぬか
一年にふたたび行かぬ秋山を心に飽かず過ぐしつるかも
黄葉の散りなむ山に宿りぬる君を待つらむ人し悲しも
秋山にもみつ木の葉のうつりなばさらにや秋を見まく欲りせむ
味酒三輪のはふりの山照らす秋の黄葉の散らまく惜しも
Last Update: Nov.26,2001