校舎改築速報
設計上の特筆点
色彩について
各機能ブロックの建築形は、直線型と囲み型の組み合わせを基本とし、これにさまざまな特徴を持つ形態を配することにより、豊かな集合体としての建築形態を創り出している。
色彩においても、その形態をもつ要素を十分に引き立て、各々の空間で展開するさまざまな人々の動きを誘導するものである。
建物は大きなスクリーン(壁面)で構成された空間と考え、各々の空間で起こりうるべき情景(季節・時間のうつろひ、人々の動き、樹木等)を写し出し、その情景との対比、同化するものとし、空間において垂直な色彩として、以下の通りまとめた。
- 直線型をなした動的空間部分には、建物を支える構造体の力強さ、素朴な材質感を持つコンクリートをそのまま用いる。建物の面構成(C棟グラウンド側等)の奥行きを持つ形態をアピールする。
- 囲われた中庭は、単一な白壁・ガラスの壁(B棟・C棟中庭面)での面にて構成され静的空間を意味づける。
- 各々の特徴を持ったA棟、F棟、渡り廊下、ブリッジ、階段等、成立する形態のものは単体で飾りなく、コンクリートの材質感のみで表情を創り出す。
- タイル貼部分は、形態、材質、双方での現校舎の記憶の伝承部分(B棟玄関)とした。
- B棟外周側には、下段にはコンクリートを基調とし、上段には白色にて塗り分けを行い建物の水平ラインを強調し、空との対比を図る。
- 大きなガラス面は、建物内外での展開する情景を直接的にそれぞれの空間にとり入れるものである。
Last Update : Oct.15,1997