校舎改築速報
設計上の特筆点
各所要空間について
生徒などの憩いの場となる様な屋外空間など
高等学校をとりまく環境の変化として、ゆとりある教育環境づくりなどの教育内容の多様化や、生徒数の減少期への移行などがあげられる。そこで、基本指針の展開にあたって学校の伝統や地域の特性を生かした「特色ある学校づくり」に留意する必要がある。そして文化性の高い建物づくりの一環として、吹抜け、中庭等のゆとりある空間づくり、テラス・ピロティ等による余白の空間づくりに留意した計画とする。
- 音楽テラス
多目的ホールのホワイエの屋上に位置するこのテラスは音楽準備室に面している。あまり側面(壁面)の開放性の高くない屋上空間を利用して練習や休憩の場として利用できる。
- 美術テラス
唯一、1Fにあるテラスで一部建物の下にあり、ピロティ形式になっている。彫刻などをこのテラスで飾るといった利用方法もある。
- 書道テラス
階段状になっているテラスで、名称こそ書道テラスであるが、書道教室に面しているのでこの名称がついた。用途的には、段状形態を利用し、文化祭時に屋外劇場といった使われ方もできる。
- CRバルコニー(バルコニー1)
長い形態をした特徴的な空間で、授業のあい間の気分転換、他のクラスの交流、グランドとの対話をする場とする。
- 玄関ホールのグリッド窓
各階において中庭を隔てる大開口のスクリーンとして、中庭を映し出す。1F部分は、中庭に出る為の扉(開口)があり、サブアクセヒスや玄関ホール扉などにより、さまざまなアクセスが可能となる。
- 玄関ホール
2層分吹き抜けとなっており、2階には吹き抜けを飛び出した形で廊下を設置した。風通しも良い。懐かしさを引き継いだ威厳ある空間である。
- 階段室
塔上に設置された階段室(1)、(2)双方に対比を生む。階段室(1)は上部に設けられた、六稜のスカイライトを望みながら、階段を上り下りする。内に開かれた階段室である。階段室(2)は、外部ガラス貼にすることにより、静寂な中庭を望みながら階段を上り下りする。外に開かれた階段室である。
- クラスルームテラス
壁をもたない開放された廊下とつながっており、又2階部分の屋上にあるこのテラスは上部に遮るものが無い為、非常に開放された空間とし、静寂な中庭と対比した生徒たちのにぎわいの空間とする。
- スチューデンツテラス
クラスルームの中央とケヤキ並木からグランドヘ至るピロティーの直上にある。双方の交点にあり、立体的な対話空間である。2Fでの生徒たちの休息の場である。
- 屋外階段ブリッジ
立体的に動線を結ぶ要とする。形態は、ごくシンプルに空間と空間を結ぶ緩衝体とし、一切の装飾を排除し、立体的に自然要素を体感させる。手摺形状も遮断形状とせず、その意味を持たせる。
- 生徒用スロープ
ケヤキ並木からCRへ生徒たちを導く装置である。それは階段でもないゆるやかな勾配で、徐々に中庭・クスの木の広場の情景の見え方を変化・演出させながら、移動の行なえるものである。
- 中庭
壁面に囲まれた位置にあり、にぎやかなグランドとは対照的な静寂な空間とする。中庭の周りには幾つもの立体的なもの(屋外階段、スロープ、ブリッジ)などがあり、それらを移動する人々に安らぎをも与える。
- ケヤキ並木
現状ケヤキを新校舎において建物、人々の行動の中心にメインアプローチとして新しく位置づける。
- クスの木の広場
現状バックネット裏のクスの巨木を残し、広場の中心要素として新しい空間を創り出す。
- 読書の森
現状樹木を積極的に保存し、図書館の屋外的閲覧スペースとしての、利用とする。高木は、緑陰をつくり、落ち着いた空間とする。
Last Update : Oct.15,1997