竹内鐡二先生
【校長】
1962年〜1964年
勝利で一等国になったと聴かされたのは物心ついてから。子供のころのアルバムに見る服装が軍服から背広まがいに移っているのも世相を表すことか。明治が大正に代わり私の全学校生活の十五年間は世に言われる大正デモクラシーの時代であった。その初頭に世界第一次戦、ドイツ帝国は滅亡…ここに戦争の罪悪観は世界を軍備縮小に同意させた。そんな時代の学生生活は智の追求の自由は今よりであったのではなかろか。
当然軍人さんの定員減の対策が中等以上の学校に陸軍将校の配属となったのは大学卒業の間際であった。年号は昭和となった。一次戦で敗者ドイツは非武装と民主化をうけ入れた筈が独立後は勝手と言うことか、帝国再建を旗印に民主憲法なにするものぞと全体主義を確立し対外侵略を強行したのはヒトラーであった。その昭和十年以降は日本も友邦帝国として共にした。大正の名残りは影を潜めた。かくしてニトロ弾を落とし始めてアトム弾を落とされて終わった戦争…歴史を教育として文化国家形成の労作を願うのみ。その意をこめて六稜同窓会の発展と皆様のご健勝を祈ります。