恩師の近況1997

    上田浩石先生

    【英語】
    昭和25年〜昭和52年

       月日の経つのは早いもので、私も今年70歳になり、感慨無量と言うのでしょうか、「あの大戦争と病気を通りぬけて、よくもまあ今日まで生きさせていただいたものだ」と感謝致しております。昭和52年に北野高校から神戸の灘高校へ転勤した後、平成4年9月に胃癌で胃の3分の2を切除し、平成7年(阪神大震災の年)の3月末に、灘高を定年退職しました。その後、日が経つにつれて、ますます健康を回復しているようなので、誠に有難く思っております。

       今のところ、個人的に仕事を頼まれる以外は、家の中の片付けや、修理や、周囲の手入れや読書や勉強やらで、何となく毎日毎日忙しくしています。昔は、定年後の生活とは、もっと「のうのう」 とした、明るい日の光に満ちた、のどかな毎日が続いて、好きなだけ本を読み、居眠りをし、将棋をさし、喋り、何日でも旅行できるものと空想していたのに、何とまあ、現実の生活は、きびしく、せせこましいのでありましょうか。何十年もの間、積んだまま、押込んだまま、見てみぬ振りをして、放置してあった無数のものを、少しずつ取り出しては雑用を次々に作り出して追われております。


    Last Update : Sep.20,1997