中井正明
(64期・なにわことばのつどい代表世話人)
山本(ヤ−モッ)さん、よかったら帰りしなに
一寸、ウチ寄っとくなはるか。
いや、一杯遣(や)ろか思(おも)て、
家内に段取(だんどり)さしてまんねん。
ご馳走(ッツォ)やおまへんけど
この間(コナイダ)から講習受けよりましてナ、
作っとりまんねん。“うまき”と“うざく”、
そやサカイ一寸だけで結構(ケッコ)だス。
寄っとくなはれ!
さよか。ソラ、ご馳走(ッツォ)はんで。
ホナ電話一本入れといてお邪魔に上りまっさ。
おぉきに、ありがとさんだす。
二品共大阪独特の料理で短絡語。
玉子巻の中に鰻の蒲焼を巻き込んだのが鰻巻(ウマ)き。
蒲焼を刻んで胡瓜のざくざくに混ぜたンが、鰻(ウ)ざく。
“ざくざく”は材料を刻む音の名詞化で、大阪ならではの料理名。