松村 博
(74期・大阪市都市工学情報センター理事長)
この橋の事業では、取り付けの道路に面した民家のかさ上げ補償や用地買収に長い時間がかかり、全体の完成にはなお5〜6年の歳月を要しました。
この橋には一風変わった文様の高欄が建てられています。直弧文と呼ばれる弥生時代から古墳時代にかけてよく用いられた文様で、呪術的な意味をもつものと考えられています。神崎橋の近くから弥生時代の遺物が出土した記録があることや、兵庫県側の猪名川筋は遺跡の宝庫といえる地域で、この地の歴史を少しでも思い起こしてもらいたいという意図が込められています。