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【新刊紹介】
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樋口日出雄@69期(著) ※ペンネーム:秋間平安
『漫才師殺人事件』
ISBN: 4-434-04762-0
単行本・236p・19×13cm
東京図書出版会(2004/10)
¥1,575 [税込]
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新聞記者を主人公にした推理小説はこれまでも多くあったが、これほど等身大に記者を描いて魅力的な作品は少ないだろう。生き生きとした人間像、ユーモアと哀愁、食や大阪弁へのこだわりが、読後感をいっそう味わい深いものにしてくれる。
漫才師・上方乗平(かみかた・のりへい)の死体が、十三大橋の下を流れる淀川に浮かぶ。
「まんねんさん」の愛称で呼ばれる新聞記者・北川優基は、その死に疑問を持ち、捜査当局と取引しながら事件の真相に迫るというストーリー。物語の舞台は十三と沖縄である。
筋立てやプロットに目新しさはないが、古典的とさえ言える筋書きを新鮮にしているのは、主人公を初めとする登場人物の描写である。
さらに、夜の酒場や取材で繰り出す主人公の大阪弁、上方芸能に対するうんちく、食へのこだわりも人間味にあふれ、全編を通じてペーソスを醸し出している。
また、地位協定を含む基地問題、本土における沖縄人への差別問題など、沖縄情報をもちりばめている。
秋間平安を「あきま・へん」と読ます著者のユーモアセンスがあふれる好著である。多くの人に読んでもらいたいと願っている。
前作の『破れた消幕』に続く“まんねんさんシリーズ“の第二弾。『破れた…』はテレビドラマ化され、テレビ東京系の「女と愛とサスペンス」枠で一昨年放映された。
【稲森久彦@69期】
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Last Update : Dec.28,2004
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