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【新刊紹介】
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島本慈子@82期(著)
『ルポ解雇〜この国でいま起きていること』
ISBN: 4-00-430859-3
新書・212p・18cm
岩波書店(2003/10)
¥735 [税込]
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なんとなく「日本は解雇に厳しい国」と思っている人はまだ多いと思うが、本書を読むと、それは幻想なのだと思い知らされる。虚偽の理由で人のクビを切るなどということは許されないはずだが、現実にはそのような不公正な解雇が頻発しているという圧倒的な事実を突きつけられるからだ。
本書は2003年の通常国会で成立した労働基準法改正案に関して、改正の最大のポイントであった「解雇ルール」新設をめぐる舞台裏、横行している不当解雇の実態、働く側に過酷な負担を強いる労働裁判の現状などをていねいな取材によって報告したものである。
著者の島本氏は、理不尽な不当解雇に泣き寝入りすることなく裁判を闘ったごく普通の方たちが皆、「自分の誇りを守りたかった」と語ったことに、はげしく感動したという。そして「〈人〉そのものである労働力を、単なる商品として扱うことは無理なのだ、ということを強い立場にある方々にもわかってほしい」と願いをこめて書いている。
この10年あまり、規制緩和推進の流れのなかで、政府は企業が雇用調整をしやすいように不安定雇用を増大させてきた。2004年の通常国会では、やはり1年前に成立した有事法制を具体化する関連7法案が可決された。ある社会全体の自由が確保されるためには、職場でものを言う自由が確保されているかどうかが大きな鍵となる。「誇り」を守ることが難しい社会になってしまうのは、どうしてもいやだから、そのことを考えるためにも、より多くの方に読んでいただけたらと願っている。
【太田順子@岩波書店編集部】
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Last Update : Oct.15,2004
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