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【新刊紹介】
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マルキ明子@97期(著)
『レクイエム』
ISBN: 4-7974-9040-3
文庫・319p・15×11cm
新風舎(2004/2)
¥788 [税込]
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人は誰も、自らの人生を自らの手で切り拓き、全うする責任がある。そう感じさせられる一冊。
自動車事故で妻を亡くしたイタリア人とイギリス人の混血「ジェイク」は、過去にとらわれ、なかなか自分の人生を切り拓くことができない。だが、献身的な恋人、心に傷をもつ神父、才色兼備な難民の少女・・・人々との出会いを通し、次第に光を見出していく。ようやく自分の人生を生きようとしていたその時、彼の運命は少し速度を速めて動き出したのだった。
前作『ラ・ヴィ・アン・ローズ』と同様、スイスにとどまらず、この世の営みの普遍性を意識した作品。しかし、前作以上に著者の歓び・苦悩・希望など、生涯を通しての体験や著者自身の精神世界がほぼ全て詰まっていると言っても過言ではない。『レクイエム』の主人公が体験する異文化は、まさに、日本を飛び出しスイスを第2の故郷とした著者自身のものである。
また、本作の執筆中に著者が懇意にしていた友人が急逝し、主人公同様、混沌の淵をさまよい浮き沈みする結果となった。本作の第二刷では、亡き友人への追悼の一文が書き加えられ、タイトルどおりの重みをもつ作品となっている。
大切な存在を亡くし、その悲しみを乗り越えていく。悲しみを自分のエネルギーに変えていく。これは誰もが経験するだろう。いつまでも立ち止まってはいられない、過去を振り返ってばかりはいられない。
しかし何故、あのような形で主人公の想いが遂げられなければいけないのか・・・。
「幸せな結末?」という問いに、あなたは何と答えますか?
【矢野圭子@110期】
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Last Update : Oct.15,2004
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