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【新刊紹介】
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中村 亨@104期(著)
『無限ホテル』
ISBN: 4-8355-7562-8
単行本・175p・19cm
文芸社(2004/5)
¥1,260 [税込]
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無限に客室が並んでいる「無限ホテル」。その一室に泊まっていた男が、隣の部屋の客から「新しい客が来たから、右隣の部屋に順次移ってくれ」と頼まれる。部屋を出た男は、右隣の部屋の客に部屋を移るよう伝えたが、「ホテルに殺人鬼がうろついているからドアは開けられない」と言い返される――。数学者ヒルベルトが、無限集合の性質に関するたとえ話として案出したT無限ホテルUに発想を得た表題作をはじめ、ミステリアスな短編と意外性溢れるアイデアで紡がれたショートストーリーを収録した作品集。
収録される二十篇は、バラエティに富んでいる。例えば、二体のロボットが戦う『極限』、決して死ななくなるという伝染病が蔓延する『不死なる人々』はSF、お面が子供たちを犯罪に駆り立てる『ウォロー』はホラー、仏壇の中の異界を旅する『静かな、広々とした』、酒の精や月の精と交流する『マヌジャ』はファンタジー、というように、それぞれが独特の味わいを持っている。『桃の記』『白雪姫と七倍の小人』といったパロディなども用意され、豊穣な世界が形成されている。
簡潔で平易な文体、行き届いたプロット、通奏低音のように流れるユーモア……読後の清涼感が印象的な一冊。
作者は、大学の文学部を卒業したあと、大学院の数学科に入りなおしたという変り種。この本には、文学的趣味と、理系的発想が混然となって表れている。
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Last Update : Oct.15,2004
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