Vanaf vaart water 運河の上から

小松雄爾 Yuji Komatsu

六稜97期卒業生。

Energy research Centre of the Netherlands (ECN) 元・研究員。
2005年6月からオランダ・アルクマール市に居住。
2015年5月から、家族をオランダに残し日本に「逆」単身赴任中。
年2回(年末年始とゴールデンウィーク)、「帰省」して家族と過ごす。

 

●INDEX

Vanaf vaart water 運河の上から (2012年- )

第16回 市議会議員選挙に投票した思い出(その5)(2023年1月6日)

第15回 市議会議員選挙に投票した思い出(その4)(2022年12月30日)

第14回 市議会議員選挙に投票した思い出(その3)(2022年10月9日)

第13回 市議会議員選挙に投票した思い出(その2)(2022年7月24日)

第12回 市議会議員選挙に投票した思い出(その1)(2022年7月3日)

第11回 改札口整備が進むオランダ (2018年1月9日)

第10回 プロテスタント的食習慣 (2017年5月4日)

第9回 日本に「逆」単身赴任中 (2017年1月3日)

第8回 沈没した車からの脱出講習会(2013年8月6日)

第7回 【告知】六稜トークリレーで講演します (2013年7月3日)

第6回 スポーツ大好きオランダ人(?)(その2) (2013年5月12日)

第5回 スポーツ大好きオランダ人(その1) (2012年6月9日)

第4回 運河のオランダ語は?(その3) (2012年5月17日)

第3回 運河のオランダ語は?(その2) (2012年4月15日)

第2回 運河のオランダ語は?(その1) (2012年3月25日)

第1回 連載再開のごあいさつ (2012年3月14日)

 

太陽電池と「低い国」と~民間企業研究者の海外転職記 (2006-2009年) (旧レイアウトで読む)

第33話 水泳、スケート、その次は…?

第32話 12年ぶりの天然氷スケート【後編】

第31話 12年ぶりの天然氷スケート【前編】

第30話 探訪「大西洋の壁」と「松代大本営」(その3)

第29話 探訪「大西洋の壁」と「松代大本営」(その2)

第28話 探訪「大西洋の壁」と「松代大本営」(その1)

第27話 オランダから見たドイツ《4》研究所とヒエラルキー(その5)

第26話 オランダから見たドイツ《4》研究所とヒエラルキー(その4)

第25話 オランダから見たドイツ《4》研究所とヒエラルキー(その3)

第24話 オランダから見たドイツ《4》研究所とヒエラルキー(その2)

第23話 オランダから見たドイツ《4》研究所とヒエラルキー(その1)

第22話 オランダから見たドイツ《3》研究所と言語

第21話 改札口のない鉄道駅

第20話 国民皆泳~オランダの場合【後編】

第19話 国民皆泳~オランダの場合【前編】

第18話 オランダから見たドイツ《2》エネルギー政策【後編】

第17話 オランダから見たドイツ《2》エネルギー政策【前編】

第16話 オランダで家を買う《8・終》仮住まいの終り

第15話 オランダで家を買う《7》コンニチハ、ハジメマシテ

第14話 オランダで家を買う《6》公証人登場

第13話 オランダで家を買う《5》vs.売主側不動産屋

第12話 オランダで家を買う《4》家探し、そして助っ人

第11話 オランダで家を買う《3》線路通り145番地

第10話 オランダから見たドイツ《1》

第9話 オランダで家を買う《2》賃貸住宅への途(みち)

第8話 オランダで家を買う《1》始まりは社宅から

第7話 ペッテンとアルクマール《3》

第6話 ペッテンとアルクマール《2》

第5話 ペッテンとアルクマール《1》

第4話 太陽電池を追いかけて《3》

第3話 太陽電池を追いかけて《2》

第2話 太陽電池を追いかけて《1》

第1話 蘭学の祖国から

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市議会議員選挙に投票した思い出(その5)【第16回】

前回から続く)

 

スケート場を核にした、アルクマール市有のスポーツ複合施設。2014年4月~15年10月に大規模な改修工事が実施され、スケート以外の屋内スポーツ設備なども充実しました。選挙が14年11月でちょうど工事中だったので、より関心がありました。

日本の市会議員選挙では、候補者の名前を書きますよね。直接の知人や、知り合いの知り合いが立候補していると、その人の人となりをそれなりに知っていて、投票先として検討することもあるでしょう。でもそれ以上の遠い関係だと、議会活動によほど興味のある人でなければ、誰が何をやっているのかよくわからないのが正直なところでしょう。子どもの頃から同じ町に住み続けている人なら、候補者の中に知り合いの知り合いレベルの人はそれなりに増えてくると思いますが、よそからやってきた住民にとっては、ほぼ全員知らない人のリストから一人だけ選んで投票するのは、真剣になればなるほど大変な作業ですよね。

 

それを考えると、政党に投票できるのはありがたいです。自分が重要だと思う政策に高い優先順位をつけている政党が議席をたくさん取れば、その政策の実現性は高まります。個人の候補者の場合、たとえその公約に共鳴するものがあっても、その候補者が当選後に、公約実現のための現実的な方法がどれだけ具現化できて、議会内に十分な数の賛同者を増やすことができるかまでは、なかなかわかりません。「頑張りますのでよろしくお願いします」という候補者の言葉を信じるしかありませんが、知り合いの知り合い以上に遠い存在だと、信じるための根拠を探し出すのはなかなか難しいものです。

 

2012年に大規模改修が完了した、アルクマール市文化センター"Artiance"と、市立博物館・図書館の複合施設。当時ワタシの子供らは文化センターの音楽教室に通っていて、ピアノ等の個人レッスンを受けていました。博物館の改修の方はかなり画期的で、それまで貧弱だった市の歴史に関する展示物が大幅に刷新されました。

しかし、政党、特に長年そこで一定の議席数を維持している政党であれば、それまでの活動実績が、それなりの割合の地元の住民から評価されていることになります。また候補者リストに載っているのは、その政党が議員たらしめたいと考えている人たちです。オランダでは比例代表制で選ばれた議員は任期中に所属政党を変わることはできませんし、どうしても政党を変わりたければ議員を辞職するしかありません。選ぶ側の有権者としては、政策や実行力や信頼性を基準に、投票する政党を選べばいいことになります。候補者リストの中からさらに誰かを選ぶ必要がありますが、その政党がより「議員にさせたい」と考えている人は、常識的に考えてリストの上の方にあるでしょうから、誰が誰だかわからない場合は、一番上の人に印をつければいいでしょう。

 

前々回、このときの選挙で投票する政党選びについてウェブサイトなどを参考にしたと書きましたが、当時関心のあった、スポーツ施設や文化施設の充実に重きを置いていた政党を選んで投票しました。

 

次回は、前々回紹介した投票券について、裏側にも重要な記載があったことを紹介したいと思います。

2023年1月6日
オランダ・アルクマールにて
小松雄爾

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