しきしあてる
中井正明
(64期・なにわことばのつどい代表世話人)
- 色紙当てる…貧者の社会にこんな情緒豊かな大阪弁がゴザッタヨ。
衣類の継切(つぎきれ)を色紙と見立て、継ぎ当てする事を指した。
戦中戦後(昭和20年前後)物資欠乏の時代を思い出すネ。
僕のお下(さが)りの半ズボンを弟が穿(は)いたンもその頃。
お尻に当てた布が別物(ベツモン)ダシテ
「キャッチミット」の綽名(あだな)が付いた。
彼が登校拒否症に陥ったンが筆者の知るその第1号ダシタナ。
当時は衣服は勿論のコト、短靴・編上靴・軍靴に至る迄、
「継ぎ」の当った品々が使用されていたヨ。
物が豊かで、ホンデ心は貧しい時代の今から振り返ると、
隔世の感が深うオマス。
Last Update: May 23,2002