六稜NEWS-071215
化学研究部、豊中九中で出前講座

reporter:谷卓司@98期



クライマックスの「-196℃の世界」
野球部には甲子園が、ラグビー部には花園が…出場を果たせるかどうかはともかく、体育会系クラブにはハレの大舞台がある。これに対して、文化系クラブ…とりわけ理科系のクラブには、対外的に大して目立った出番がない。加えて、昨今の「理科離れ」の風潮…歯止めをかけるのは国策ともなっている。

そのような背景を基に、NPO法人JASSE(代表:松岡信道さん@111期)の仲人で、化学研究部の5人組が、豊中九中に出張講座(出前実験)へと押し掛けた。市教委と府教委のはざまで、従来の発想では起こりえなかった組み合わせとも言えるが、私立では中高一貫は当たり前のことでもあり、かたや高大連携の事例にも後押しされてか、公立校同士の先進的な中高連携のパイロットケースとして、今回の企画が実現することになった。

「化学ふしぎ発見」と題された今回の講座は、次の7つの実験リレーだった。
1.鏡をつくろう〜銀鏡反応
2.一瞬で燃える綿〜硝化綿
3.光る液体〜ルミノール反応
4.振ると色が変わる液体〜ブルーボトル反応
5.繰り返し色の変わる液体〜振動反応
6.コピー用紙の不思議〜イソジンとビタミンC
7.マイナス196℃の世界〜液体窒素



顧問の原田公彦先生が心配そうに見守るなか、化研の5人組(1年生3人、2年生2人)と応援に駆けつけたOBの平尾仲達くん@119期(阪大生)が、交替々々に教壇に上った。

部長で紅一点の葛山千紗さん(2年)。
「北野の化研では、文化祭だけじゃなくて、大阪府主催の『サイエンス・フェスタ』に参加したり、近隣の小学校へ出前実験をしたり…普段から慣れてますよ。」

ほとんど年齢差のない中学生を相手にすることについては…
「中学生が北野に来て、そこで実験を披露する『サイエンス・ラボ』で経験済みです。でも、こうして中学校まで出向いて実験するのは初めて。」

この日集まった豊中九中生は20人。校内で全校生徒向けに呼び掛けをしたところ…1年生5人、2年生12人、3年生3人の応募があった。

「実験の結果を、食い入るように見つめる生徒の表情が印象的でした。実施して良かったです。今後ともこのような機会があれば、ぜひとも検討して行きたいと思います」とは、豊中九中の谷本泰子校長。

「本日の模様が豊中ケーブルテレビで放映されます。18日の『北摂ニュース』という10分番組です。22日・23日の『週刊北摂ニュース』でも再放送されます」と、芝崎清治教頭。

「今回の縁組の成功がこれからのモデルケースになれば」と意気込む松岡さん。地元視点で、教育現場を支援する新しい枠組みを模索中のJASSE…今後の取り組みに注目していきたい。


一瞬で燃える「硝化綿」 銀鏡反応も大人気

Last Update: Dec.24,2007